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4月1日、17世紀のパイプ・オルガンが生み出す、"幻想的な筆致"... 新時代、バロックの瑞々しさ、蘇る。

イタリアのオルガニスト、イレーネ・デ・ルーヴォが、1624年製のパイプ・オルガンで、スウェーリンク、フローベルガー、フレスコバルディらによるトッカータ、カプリッチョなど、即興的な作品を弾く、"STYLUS PHANTASTICUS: THE HIDDEN WRITING"。
stradivarius/STR37239

ルネサンス全盛期、ヴェネツィアを中心に活躍したカヴァッツォーニ(c.1485-after 1569)、ルネサンスからバロックへとうつろう頃、ヴェネツィアの最新の音楽を遠くオランダから追っていたスウェーリンク(1562-1621)、ローマの古様式をバロックと結び、洗練を以って響かせたフレスコバルディ(1583-1643)、その弟子で、イタリアの洗練をアルプス以北へともたらしたフローベルガー(1616-67)、フレスコバルディにも師事したか?ローマで活躍したミケランジェロ・ロッシ(1601-56)、という5人による、当時、"STYLUS PHANTASTICUS"、幻想的な筆致と呼ばれた即興的な作品、11曲を、イタリア中部、ピストイアの聖霊教会に設置された、1624年製、ウィレム・ヘルマンス(オランダ出身のオルガン製作者で、ピストイアのオルガンは、その代表作と言えるもの... )によるパイプ・オルガンで演奏する。

オルガンによる音楽は、その規模からして、新機軸を打ち出すには小回りが利かないイメージがあるものの、スウェーリンク、フレスコバルディ、南北を代表するオルガンの大家の音楽には、ルネサンスのカウンター・カルチャーとしてのバロックの自由さ、感じられ、その自由さから放たれる華麗さに魅了される!その次なる世代、フローベルガー、ミケランジェロ・ロッシの音楽からは、もうひとつ練られたもの、感じられ、よりバロックを体現する鮮烈さに魅了される。そうした中で、ルネサンスを生きたヴァッツォーニの古風さがまた印象的で... 源流としての存在感、なかなかのもので、華麗な即興性の中に在って骨太な音楽を聴かせてくれる。

という、"STYLUS PHANTASTICUS: THE HIDDEN WRITING"を聴かせてくれた、ルーヴォ。1624年製のパイプ・オルガンが持つ、17世紀の花やぎ、存分に活かし、新時代を象徴した即興的な作品の数々をヴィヴィットに響かせる!で、パイプ・オルガンの重厚感から、どこかイタリアの朗らかさ、漂い出すようで、そこに何か魔法めいたものも感じられ... まさに"幻想的な筆致"なのかも... そうして浮かび上がる、かつて新時代であったバロック、その瑞々しい表情... 魅惑的。

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