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4月4日、バッハ、構築の極みと、ウェーベルン、抽象の極みが織り成す、絶対音楽の庭...

ピリオドに軸足を置きながら、大胆に時代を飛び越えてゆくヴァイオリニスト、ロドルフォ・リヒターと、彼が率いるリヒター・アンサンブルの演奏で、バッハの『フーガの技法』と、ウェーベルンによる弦楽四重奏のための3作品... 絶対音楽の両極を並べる大胆な組み合わせ!
passacaille/PAS1129

対位法の大家、バッハ(1685-1750)の集大成、『フーガの技法』に、12音技法を極めたウェーベルン(1883-1945)の弦楽四重奏のための作品、5つの断章(1909)、6つのバガテル(1913)、弦楽四重奏曲(1937-38)を挿み、対位法の極みの構築性と、脱構築たる無調、音列による抽象の間を行き来するという、ただならない構成... とはいえ、バッハをリスペクトし、バッハ作品をアレンジしたウェーベルンでもあって、意外と親和性ある?

いや、『フーガの技法』も、ウェーベルンも、これ以上なく絶対音楽!という共通項がありながら、まあ見事に対極にあるわけで、その対極にある音楽を並べれば、当然ながら、両者の音楽性、一段と際立ち... 一方で、ウェーベルンを前にすれば、バッハが、思いの外、甘やかに聴こえてしまうケミストリー!なればこそ、両者のコントラスト、凄くて、ちょっとクラクラしてしまう。が、クラクラの先にはゾクゾクが広がり...

という『フーガの技法』にウェーベルンを聴かせてくれた、リヒター・アンサンブル(全曲、ガット弦での演奏!)。ピリオドの無駄の無い響きが、バッハはもちろんウェーベルンでも効いていて... 絶妙な具合に響きは枯れ、何か枯山水を思わせる詩情を湛えた峻厳さ、全体にもたらし、不思議な感覚で聴く者を包む。しかし、大胆です。けれど、聴けば聴くほどに深淵に導かれるようでもあり、凄い。

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