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さぶすクラシック日誌。2023年版!

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毎日、1タイトル、スポティファイでクラシックの新譜を聴いてみた。
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#17世紀

4月5日、17世紀、自由都市ハンブルク流?ゼレのヨハネ受難曲は、ほんわかポップ!

アントニウス・アダムスクの指揮、ゲッティンゲン・バロック管&合唱団、ダンテス・ディヴィアク(テノール)の福音史家、ヤンノ・シェラー(バリトン)のイエス、ヨハネス・オイラー(カウンターテナー)のピラトで、17世紀、ハンブルクの音楽監督、ゼレのヨハネ受難曲。 Coviello Classics/COV92304 17世紀、イタリアで誕生したバロックが、アルプスを越え、ドイツでも受容されようという頃、その北の辺境に生れ、学び、活動したトマス・ゼレ(1599-1663)... イタ

4月1日、17世紀のパイプ・オルガンが生み出す、"幻想的な筆致"... 新時代、バロックの瑞々しさ、蘇る。

イタリアのオルガニスト、イレーネ・デ・ルーヴォが、1624年製のパイプ・オルガンで、スウェーリンク、フローベルガー、フレスコバルディらによるトッカータ、カプリッチョなど、即興的な作品を弾く、"STYLUS PHANTASTICUS: THE HIDDEN WRITING"。 stradivarius/STR37239 ルネサンス全盛期、ヴェネツィアを中心に活躍したカヴァッツォーニ(c.1485-after 1569)、ルネサンスからバロックへとうつろう頃、ヴェネツィアの最新

2月3日、春が訪れたかのよう... パーセル、クッサーによる、バロック期、アイルランドでのセレブレイション!

ピーター・ウィーラン率いるアイリッシュ・バロック・オーケストラの演奏、セスティーナの合唱、マリア・ケオハネ(ソプラノ)らの歌で、バロック期のアイルランドを見つめる、"The Hibernian Muse"。 LINN/CKD685 1694年、ダブリンのトリニティ・カレッジ(現在はアイルランドを代表する大学... だが、創立当初は、イギリスによるアイルランド支配の一端も担っていた... )、100周年記念式典のために委嘱された、パーセル(1659-95)のオード『偉大な創立

2月2日、17世紀後半、イギリス・オペラの黎明期を生きた、パーセルを改めて見つめて...

ジョナス・デスコット率いる、スイスの新たなピリオド・アンサンブル、レ・ザルゴノートの歌と演奏で、パーセルのオペラ『ディドとエネアス』に劇付随音楽『キルケー』。 APARTÉ/AP296 17世紀後半、イギリス・オペラの黎明期、台詞が歌われることに未だ抵抗感が持たれていた頃に作曲された、パーセル(1659-95)の2作品、オペラ『ディドとエネアス』と、チャールズ・ダヴナントの悲劇『キルケー』のために書かれた音楽(エアとコーラスの数々に、魔法のダンスからなる... )。対照的な

2月1日、17世紀後半、ロンドンの宮廷を騒がせた、寵姫にしてスパイ、ルイーズ・ケルアイユが聴いた音楽...

ルシル・テシエ率いるフランスのバロック・アンサンブル、アンサンブル・レヴィアタンの歌と演奏で、イギリス国王、チャールズ2世の愛人にしてフランス王家のスパイ、ルイーズ・ケルアイユをフィーチャーするアルバム、"Music for Lady Louise"。 harmonia mundi/HMN916119 フランス、ブルターニュ地方の貧乏貴族に生まれたルイーズ・ケルアイユ(1649-1734)。ルイーズの父は、娘をヴェルサイユに送り込み、太陽王の寵姫にしようとこころみるも、太陽

1月28日、本当に北ドイツ?その色彩感、明朗さ、もう完全にイタリア!驚くべき、ゼレ・ワールド!

モニカ・マンデラルツ率いる、ハンブルクの古楽アンサンブル、ミュゼズ・フェローズの歌と演奏で、17世紀、北ドイツで活躍したゼレの2声のためのコンチェルト集を取り上げる、"Kinder des Liechts"。 Coviello CLASSICS/COV92214 1641年から、ハンブルク、ヨハネウム学院のカントル(実質、自由ハンザ都市ハンブルクの音楽監督、後に、テレマン、C.P.E.バッハが歴任... )として活躍した、ゼレ(1599-1663)。なのだけれど、ハンブルク

1月27日、ヴァイオリンが器楽の花形としてブレイクした頃、17世紀... オスティナートに乗って、歌い上げるヴァイオリンの花々しさ!瑞々しさ!

バロック・ヴァイオリンのヴィルトゥオーゾ、グナール・レツボールのヴァイオリンと、彼が率いるアルス・アンティクヮ・アウストリアの演奏で、ビーバー、シュメルツァーら、17世紀のヴァイオリニストたちのオスティナートによる作品の数々... "ostinato"。 PAN CLASSICS/PC10444 バロックの鬼才ヴィルトゥオーゾにして、ザルツブルク大司教の楽長、ビーバー(1644-1704)のソナタ、2曲に、グダンスク出身でポーランド王の宮廷で活躍した?デーベル(1651-9

1月26日、やわらかな厳粛さに包まれる、17世紀、リエージュの晩課... に、癒される。

アンサンブル・ポリアルモニークの歌、ファビアン・ムラール率いる古楽アンサンブル、コンチェルト・インペリアーレの演奏で、17世紀、ベルギー、司教座都市、リエージュにおける晩課を再現、"Ad Vesperas"。 MUSIQUE EN WALLONIE/MEW2201 ヴェネツィア楽派、アンドレア・ガブリエリ(1533-85)のトッカータ(壮麗なオルガンによる演奏!)で始まり、厳かなグレゴリオ聖歌に導かれるように、ランベール・ド・セーヴ(1548-1614)ら、リエージュの作曲

1月25日、サウンド・オブ・ザルツブルク!ビーバーの祭壇または宮廷用のソナタ集から溢れる花々しさ!

フロリアン・ドイター(ヴァイオリン)とモニカ・ワイズマン(ヴァイオリン)が率いる、バロック・アンサンブル、アルモニー・ウニベルセルの演奏で、ビーバーの祭壇または宮廷用のソナタ集。 ACCENT/ACC24386 1670年来、ザルツブルク大司教の宮廷に仕えた(1684年には、楽長に... )、ヴァイオリニストにして作曲家、ビーバー(1644-1704)が、司教領主の宮廷の、聖俗、様々な行事で演奏できる音楽として書いた"汎用"ソナタの集成、全12曲からなる、祭壇または宮廷用の

1月24日、ヴォルフェンビュッテルの宮廷のプレトリウスにシュッツ、実直な壮麗さに、じわっと感動。

マンフレッド・コルデス率いる古楽アンサンブル、ブレーメン・ヴェーザー・ルネサンスが、バロック期、北ドイツの音楽拠点のひとつだったヴォルフェンビュッテルの宮廷にスポットを当てるシリーズ、"Musik aus Schloss Wolfenbüttel"、その第6弾は、17世紀に活躍した2人の楽長、プレトリウス、シュッツによる詩篇を取り上げる。 cpo/555503 ドイツ・バロックに欠かせないのが、ドイツ語圏に無数に存在した領邦君主の宮廷... ザクセン選帝侯のドレスデンの宮廷

1月23日、スコルダトゥーラが引き出す、秘蹟の神秘さ... ビーバーの"ロザリオのソナタ"。

日本を代表するバロック・ヴァイオリン奏者、平崎真弓が、クリスティーネ・ショルンスハイム(チェンバロ)ら、豪華な面々による通奏低音とともに奏でる、ビーバーの"ロザリオのソナタ"。 passacaille/PAS1088 受胎告知に始まり、キリストの受難と復活、さらに聖母マリアの昇天と戴冠まで、聖母マリアとキリストの様々な秘蹟を、3つのパート、5曲ずつからなる、15曲のヴァイオリン・ソナタで綴り、最後、ヴァイオリン・ソロによるパッサカリアで締めるという、1676年頃の作品、ビー

12月30日、ドイツ・バロックの"3S"からバッハへ... ドイツにおける礼拝のための音楽の厳粛さに、充たされる。

コルネット奏者、ランベール・コルソン率いる、古楽アンサンブル、インアルトの演奏と歌で、シュッツからバッハに至る、ドイツにおける礼拝のための音楽の伝統を見つめる、"PASSAGES"。 RICERCAR/RIC443 17世紀、ドイツ・バロックの"3S"、シュッツ(1585-1672)、シャイン(1586-1630)、シャイト(1587-1654)に、ブクステフーデ(1637-1707)、クリーガー(1649-1725)ら、バッハの登場を準備する大家たちのドイツにおける礼拝の