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1月27日、ヴァイオリンが器楽の花形としてブレイクした頃、17世紀... オスティナートに乗って、歌い上げるヴァイオリンの花々しさ!瑞々しさ!

バロック・ヴァイオリンのヴィルトゥオーゾ、グナール・レツボールのヴァイオリンと、彼が率いるアルス・アンティクヮ・アウストリアの演奏で、ビーバー、シュメルツァーら、17世紀のヴァイオリニストたちのオスティナートによる作品の数々... "ostinato"。
PAN CLASSICS/PC10444

バロックの鬼才ヴィルトゥオーゾにして、ザルツブルク大司教の楽長、ビーバー(1644-1704)のソナタ、2曲に、グダンスク出身でポーランド王の宮廷で活躍した?デーベル(1651-93)、ビーバーの弟子にしてザルツブルクの宮廷のヴァイオリニスト、ヴィルスマイアー(1663-1722)のソナタ、バンベルク大聖堂の楽長、アーノルド(1621-76)のカプリッチョ、ハプスブルク家の宮廷楽長を務めたベルターリ(1605-69)とシュメルツァー(c.1623-80)のチャッコーナ、全部で7曲が取り上げられる、"ostinato"。タイトルそのままに、オスティナート=執拗音型をテーマに編まれたアルバム。

それは、ヴァイオリンが器楽の花形としてブレイクした頃、17世紀... オスティナートに乗って、軽やかに歌い上げるヴァイオリンの伸びやかさには、花形なればこその花々しさ、溢れていて... 一方、ブレイク間もないヴァイオリンの、何と言う瑞々しさ!後の音楽ではちょっと味わえない、真っ直ぐな表情にも惹き込まれる!いや、オスティナートをベースとした音楽の即興的性格が、ヴァイオリンを解き放つかのよう!

で、レツボールです。今さらながらに、凄いです。ビーバーはしっかりエモく、大いに聴く者を揺さぶりつつ、他は、伸びやかに歌い、多幸感すら振り撒いて... オスティナートによる音楽の魅惑、存分の味合わせてくれる!何より、ヴァイオリンってイイなって、つくづく思ってしまう。そして、アルス・アンティクヮ・アウストリアの通奏低音がまた絶妙で、レツボールを鮮やかに引き立てる!

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