1月23日、スコルダトゥーラが引き出す、秘蹟の神秘さ... ビーバーの"ロザリオのソナタ"。
日本を代表するバロック・ヴァイオリン奏者、平崎真弓が、クリスティーネ・ショルンスハイム(チェンバロ)ら、豪華な面々による通奏低音とともに奏でる、ビーバーの"ロザリオのソナタ"。
passacaille/PAS1088
受胎告知に始まり、キリストの受難と復活、さらに聖母マリアの昇天と戴冠まで、聖母マリアとキリストの様々な秘蹟を、3つのパート、5曲ずつからなる、15曲のヴァイオリン・ソナタで綴り、最後、ヴァイオリン・ソロによるパッサカリアで締めるという、1676年頃の作品、ビーバー(1644-1704)の"ロザリオのソナタ"。ヴァイオリンによるオラトリオのような作品...
で、"ロザリオのソナタ"を特徴付けるのが、スコルダトゥーラ... 特殊な調弦(いつものチューニングが狂う事態?!)を、いろいろ用い、それぞれのソナタから、独特な風合いを引き出し、より豊かな音楽を織り成す。が、弾く側からしたら、次々に替わってゆく調弦に、調子を崩してしまうのでは?を、複数の楽器を用い、やり尽くす、ヴィルトゥオーザ、平野!
いつもと一味違うトーンを生み出すスコルダトゥーラが、秘蹟の神秘さを醸し出し、それが、次々に繰り出され、どこかフワフワとしたトーンで全体を包む、平野。音楽のエモさで押し切らない、響きの不思議さ(これこそが"ロザリオのソナタ"本来の魅力かもしれない... )で、聴く者を惹き込む妙、見事。豪華通奏低音も絶妙。
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