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気軽にピザトースト 【手作りピザソース】

定期的に無性に食べたくなる料理がいくつかある。ぱっと頭に浮かぶのはどれも子供の頃から知っている料理ばかり、カレー、トンカツ、焼き餃子、そして「ピザトースト」。専門店もある他の料理と比べると「食べたい!」と思い立った時に上手くありつけないことが多いけれど、そんな時は自分で作るのも悪くない。ピザトーストの魅力はなんといっても土台が「食パン」なこと、だから気軽に家で作る気にもなれる。ピザらしさにこだわると却ってピザからもピザトーストからも遠ざかってしまうのもまた食パンだから。本場に寄せ過ぎないのが一番のポイント。とても日本らしい素敵に家向きの料理です。

■ ピザトーストの作り方 ■

【使った材料】
[ピザソース]※作りやすい分量、大体パン2枚分位できます
・オリーブオイル…15g
・トマトケチャップ…60g
・酢…20g
・おろしにんにく…3〜4g
・タバスコ…あれば数滴、お好みで

・食パン…1枚 ※5枚切りを使用
・ピザソース…20g〜
・ミニトマト…2個
・シュレッドチーズ…80g〜
・玉ねぎ…10g
・ピーマン…5g
・サラミ…4〜8枚 
・オリーブオイル…適量

作るのはあくまで[ピザトースト]という割り切りが大切。おいしさのコツは必要以上に本家のピザに寄せようとしないこと。手軽な料理ほどポイントをしっかり押さえて、欲張りすぎないのが手近な材料で最大限のおいしさにたどり着く近道です。


■ YouTubeに動画を投稿しています ■


①[ピザソース]を作ります

ピザにはトマトソース、ピザトーストにはトマト味のソースが合う。まずはケチャップをオリーブオイルで炒めます。これは正にケチャップを「炒める」事がポイントで、加熱することによって味が凝縮され香ばしさと深みが加わります。温まってくると水気がはねるので気をつけてください。ケチャップとオイルが馴染んだら、他の材料[酢/おろしにんにく/あればタバスコ]も全て加え炒め続けます。

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酢を加えるのは、ケチャップの甘さに元々トマトにあった酸味を蘇えらせるようなイメージ。タバスコがあれば数滴入れると辛味と酸味でキリッと後味が引き締まります。昔から大好きなタバスコはこうして隠し味として料理にもよく使います。

仕上がりの目安は、ヘラで引いた線がしばらく残る位の濃度。これは色々なソース類の仕上がりの目安としてよく使う表現です。色も茶色味を帯びて深みが感じられる色合いに変化します。

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ピザソースは市販品もありますが、こうして家にあるものでも結構いい線まで行けるので、使う量や頻度、その時々の心持ちで使い分けるといいと思います。

②具材を準備します
玉ねぎは縦にごく薄くスライス、ピーマンは繊維と垂直に細く切りました。なぜだかピザトーストにはこの2つは絶対にのっていてほしいと思う。トーストだから焼き時間も短め温度もそれほど高くならないので、薄め細めを意識して切っておきます。量は「これだけ?」と思う位が適量。どちらも主張がある野菜なので、決して入れすぎないのもまたポイントです。

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ミニトマトはやや厚みを持たせてスライスしておきます。

③トーストを組み立てます
ソースと具材が揃えば、後はパンに具材をのせて焼くばかり。そしてこの重ねていく順番がまた重要です。簡単そうな料理ほどほんの少しのことで仕上がりが大きく変わる、そこが料理の怖さでもあり面白さでもあります。私が行き着いたベストの順番はこちらです。

▶︎ピザソース

まず食パンに①のピザソースを薄く端まで満遍なく塗ります。ソースは思わずたっぷり塗りたくなるところですが、ケチャップベースで風味が強いのでやっと全面に行き渡る程度、パンが透けている位の少なめが適量です。

続いて具をのせる前にパンを切り、天板やトースターなどのトレイにのせてから組み立てていきます。パンを先に切るのは、焼いた後に切ろうとすると、熱くて火傷する心配があるのと、溶けたチーズが包丁にくっつき崩れやすく切にくいから。先に切っておけば焼き上がりの熱々をさっと盛り付けられます。切り方は私はいつも横に4等分。他には十字に4つ切り、縦に半分など、食べ易さを考え色々試してみてください。

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▶︎ミニトマト ▶︎シュレッドチーズ ▶︎サラミ

ここからはパンの切れ目を意識しながら具材をのせていきます。まずソースのすぐ上にミニトマトを並べ、上からシュレッドチーズを平らに広げて覆います。実はこの「ソースの次にすぐミニトマトを重ねチーズの下に隠してしまう」には意味があります。その理由は後ほど。

チーズの上にサラミ。この日は大きめの[ミラノサラミ]と辛味のある[生チョリソー]の2種類を使いました。これもパンの切れ目を思い出して、食べ易さを意識して並べます。ちなみにこのおしゃれなサラミはコンビニ(ナチュラルローソン)で買ったもの。パックの量が少なめで手に取り易く時々お世話になります。サラミの代わりにベーコン、ソーセージでも。

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▶︎玉ねぎ・ピーマン ▶︎オリーブオイル 

サラミの上に玉ねぎ・ピーマンを適量のせ、オリーブオイルを少し回しかけます。野菜にオイルをかけるのは、焦げ防止のため。薄切りの野菜を素のまま焼くと真っ先に乾燥してたちまち焦げてしまうので、油分でコーティングしておくときれいに焼き上がる。焼肉屋さんでお肉の脇についてくる野菜にも少しオイルを絡めておいてくれたら焦がさず上手く焼けるのにな、と思っています。

最後に今日はサラミが大きくチーズがすっかり隠れてしまったので、表面にもおいしい焦げ目がつくように少量のチーズを散らしました。これで準備完了です。

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ピザトーストに使う食パンは[山型食パンの/5枚切り]がお気に入り。これが4枚切り・6枚切りだと印象が変わり、さらには5枚切りでも四角い角食だとまた変わります。食パンの厚さというのは割りと好みがはっきり決まっている方も多いと思うのですが、これはちょっと厚みを変えて試してみると面白みがあります。

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④焼きます
この日はオーブンレンジのトースター設定、予熱なしで7〜8分ほど焼きました。チーズが加熱できればいいので、オーブントースター、魚焼きグリルでも大丈夫です。私の目指す焼き加減は「表面は少しこんがり、サラミの下のチーズはトロリ柔らか」です。この焼き加減はお好みで。ただし、表面のこんがりにばかり気を取られてパンが黒く焦げてしまわないようくれぐれも気をつけてください。

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⑤完成です
チーズが溶けて好みの焼き色がついたら出来上がり。切れているのでフライ返しでそのままするっとお皿に盛り付け、あればパセリの刻みを散らしたりするとぐっと華やぐ。表面はカリッと香ばしく、サラミの下で柔らかくとろけたチーズは素晴らしい伸び!2つのチーズの違いが口に入れる前からもうおいしい。食べると今度はチーズの下で熱くなったミニトマトがピザソースと一体となって、ものすごくジューシーなトマトソースを食べているような感覚になる。これがミニトマトをチーズの下に隠しておいた理由。

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コールスロー風にマヨネーズと酢で和えたキャベツ人参コーンのサラダと、ゆで卵を添えました。トーストだけで野菜が足りないと思ったら、そこに欲張ってあれもこれものせるより、別に添えるか次の食事で補う方がきっとそれぞれおいしく楽しめる。

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この日の友はビールをトマトジュースで割ったカクテル[レッドアイ]。低アルコールで見た目はトマトジュース、休日の昼下がりにぴったりの優しい古典カクテルです。

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外国料理をお手本に日本で独自に進化して定着した料理はたくさんある。そこに共通するのは工夫が生んだ“らしさ”のおいしさだと思います。

それでは今日はこのへんで。
最後までお読みいただきありがとうございました。


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