選べなければ、迷わない。
「あれもほしい」「これもほしい」の豊かさを選べる時代も一巡。
「足ることを知る」が定着したかに見える現代。
頭ではわかっちゃいるけど、「お寿司にする? 焼肉? それともウナギ?」と迫られるとやっぱり迷ってしまう。
誘惑はいつだって理性の肩をがさつに揺さぶってくる。
昔はよかった。
選べるだけの品数がなかったから。
もし、川で洗濯をするおばあさんの手元に違うものも一緒に流れてきたら?
もしモモではなくリンゴを選んでいたら?
なんて名づければいいんだろう?
モモでもなくリンゴでもなくブドウを選んでいたら?
ひと粒ずつ生まれてくる?
不要なものは削ぎ落すことで身軽になれる。心も軽くなる。
それが豊かにつながるならいちばんだ。
では、精神の豊かさってなんだろう?
いろんなところに思いが飛んで、いっぱい抱え込んで、選んで絞り込んで、それからカタチにしていけたなら。そんな一連の伸縮を繰り返していくことが精神の豊かさの源泉のような気がする。
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