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視覚に囁く『小ご絵』

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いつも大きくて立派な扉ばかり見せられてきたように思う。 深く考えることなく、大きくて立派な扉ばかり追いかけてきたように思う。 だけどいつもうまく開けられるわけじゃない。 ある… もっと読む
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2024年2月の記事一覧

にゃおん日記ーーまったく、もう。

 うちの父ちゃん母ちゃん、仲が良すぎて困る。猫の子猫一匹つけいる隙がない。    ま、じき…

にゃおん日記ーーどきっ!

 飼い猫の後ろめたさを見逃してはいけない。  背後には必ず知られちゃまずい隠し事がある。

月の新年、通過。

 太陽暦に対する月の新年が幕を閉じた。エンタープライズの影に身を潜ませていた039C潜水艦が…

にゃおん日記ーー長靴を脱いだ猫

「おい、シモベ。あの靴をとってきて。なんでも裸の王様の服職人が創った新作らしいぞ」   (…

にゃおん日記ーー毎日快眠

 寝る猫は育つって言うでしょ?   毎日、安眠させてくれるおかげで、こんなに立派に育ちま…

第二の新卒社会人。

 社会人卒業してから大学に入学するなんて、どうかしてるぜ。  そういや細胞ってのは成人を…

調弦。

 人は自分の弦を調律しながら生きている。新聞を時短のトイレで読みながら、焦げ付きに細心の注意を払って朝のニュースを追いながら、社会とずれてしまわないように、あくせく、くたくたになった心身に鞭打って、懸命に自分を社会に合わせようと調律してる。ピアノの鍵盤を調整するみたいに。気が急いて行きすぎた針を元の時間に合わせ直すみたいに。    ねえ、知ってる? 弦というのはしまいには伸びるか切れるかして、捨てられてしまうんだよ。    そんな意志を委ねた従属の生き方を嫌うなら、演奏者にな

睡眠貯金。

 覚醒できる時間は人それぞれで決まっているんだよ。短く眠れば早く終わるし、長く眠れば遠く…

認識時期来たる。

 最近、本を読むと、どうもいけない。戸惑う表現があると、自分ならこう書くのにと謙虚の頭を…

一命、一口。

一命、一口。  口べらしに、口座に、人口だ。人の命ってひと口、ふた口って数えるものだった…

心待ち。

 人はいつの時代も物事を自分のいいように解釈してきた。春秋がなくなったと「チ」と舌を鳴ら…

すぐ眠くなる知性に導かれ。

 本を読む。  眠くなる。  寝る。  夢を見る。  夢の中で本を読む。  いや、それでは何…

開ける時はいずれ訪れる。玉手箱。

 浦島太郎の玉手箱、人はふたを開けるとたちどころに歳をとると信じ込んでいる。電信柱の陰か…

非資本主義讃歌。

 ここではお金はあんまり役にたたないよ。君の世界ではお金を持っていることで偉そうにしていられたかもしれないけれど、ここで金持ちを鼻にかけると鼻持ちならない奴だって顔をしかめられてしまうだけ。  そりゃあ紙幣だって使いようはある。燃やせば温められる。  コインは天秤ばかりの重りの代用になる。だけど、それだけ。漬物石に使うには手垢にまみれすぎているし、圧倒的な塊感がない。あんまり役に立つとは言えないね。 ーーでも、お金がないとテレビも買えない。  放送局の電波が届けばテレビも