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生きる力を養う『畑de小屋づくり・火起こしワークショップ』


5/23(木)~5/28(火)まで、北海道函館市に滞在していました。
今回は野口整体ではなく、こちらの2つの企画
□小屋づくり
□畑de寄り合い 火起こし・焚き火ワークショップ  のため、函館滞在です。



3月に出張で行った函館で、ひょんなご縁から
「こちらの土地をぜひで活用してください。」とのお話があり、地元の方と共に、ここを畑にしよう!と、畑づくりに精を出しているところでした。

3月、まだ原野状態で草刈りをしている状態でした。

3月は、まだなにもない原野でした。


そこに、農具を置いたり、畑作業後にホッと一息休憩できるような小屋を自分たちの手で作り上げたい。
と思い立ったのがはじまりです。
畑を耕し、小屋を愛でながら様々な人が行き来する風通しのよい空間、人の流れが出来ると素敵だな。
そんな気持ちで動き出しました。


野口整体従事者で、小屋づくりはまったくの素人のわたしがなぜ、小屋づくりに踏み切ったのか。
それは、数年前にわたしが世話人をしていた東京、和光大学での火起こしワークショップの取材に来て下さった『小屋大全』著書、西野弘章さんとの出逢いがきっかけのひとつです。


西野さんは、3畳小屋、掘っ建て小屋、ガレージ、ご自宅のログハウスまで自分たちの手で建てた方。そんな西野さんのご自宅を直に拝見させて頂き、お話を伺いに行ったことがありました。


写真にあるご自宅や小屋以外にも、
ガレージ、DIY小屋、小さな図書室などもお庭に作り
巷では小屋博物館と呼ばれているそう。
西野弘章さん著書
『小屋大全』


基礎や床部分の工夫、どのくらいの人数、日数、費用がかかるのかなど、お話を聞かせていただき、実際の暮らしぶりを少しでも拝見させていただけた経験は、とても刺激になりました。
しかし、その時すぐに小屋づくりに踏み切れるようなアテもなかったのですが、今回函館でのご縁で西野さんの暮らしぶりを思い出し、この機を逃すまい!と、清水の台から飛び降りるような気持ちでこの小屋づくりに踏み切りました。


そんな西野さんからの応援メッセージをもあり、わたしたちも函館の現地の方々+関東からの強力な助っ人と協力して、小屋づくりを始めることにしました。


資材が運び込まれました。
舞台はこの地。


3月にはなにもなかった原野も
少しずつ畝が出来ていました。


函館での小屋づくり指揮官は、
10年来の友人函館Motomachi House × Cafe のオーナー 萬雅宏さんに依頼しました。

青年海外協力隊で、自動車整備士として
ミクロネシアに滞在していました。
大工作業、畑作業、便利屋業までこなす
柔軟で器用な方。
西野さんの『小屋大全』を参考にしながら、
設計、資材の発注、現場での指揮や作業などを
担って下さったキーパーソン。


そんな萬雅宏さんを筆頭に、いざ作業開始です。


床部分だけ出来たところ
基礎には防腐剤塗料を塗ります。
80cmの穴を掘り、点圧。
砕石を敷き、4か所に
基礎石を置いて基礎部分を作りました。

今回私たちが採用した小屋作りの方法は
『ツーバイ構法』。
床、屋根、天井も全てツーバイ材で組んだ枠に、構造用合板(OSB板)を張ることで強度を増すというやり方です。
『軸組み構法』と違って、ホゾ加工がなく、材料をビスでとめていくだけの単純作業が多いので、素人にもハードルが低く、トライしやすい方法です。



滞在中は雨にも何度か見舞われました。
そのたびに悩まされたのが、小屋の養生。
防腐処理をする前の湿気に弱い木材を、どのようにして守るか。
あるものを使って頭をひねって知恵を出し合いながら、あれこれ考えるのも小屋作りの醍醐味です。





小屋づくりと並行して、5/25(土)には、
畑de寄り合い火起こし・焚き火ワークショップも開催しました。


今回お持ちした発火具たち。
キリモミ式、弓ギリ式、ヒモギリ式、火打石を
皆さんに体験してもらいました。
弓ギリ式発火法にチャレンジ


出来た火種を麻ヒモをほぐしたものでくるみ
空気を送ります。
焚き火でお昼ご飯
焼きおにぎり、ナッツやウィンナー等

マッチやライターを使わないサバイバル発火法である
摩擦発火法や火打石を試しました。
前日雨が降った湿った空気の中、
あれやこれやと皆さん奮闘。

火種が出来ても着火するまでが難しかったり。
焚き付けを用意したり火つきのいい針葉樹、
ゆっくり燃えておき火も長持ちする広葉樹をそれぞれ探したり。

火は、全てを焼き払う危険性を秘めているものです。
しかし同時に、周りを明るく照らす役割、熱エネルギーとして人やモノをあたためる性質をもっています。

人間が生まれるずっと前、太古の時代から、雷などの自然現象で山火事が起き、火という存在は自然の中にありました。
後々に出現してきた生物の中でも、そんな火の熱エネルギーを利用して道具を作ったり、料理をしたりする生き物は『人間』だけです。
(一部、火を利用して集団で狩りをする鳥などが生息しますが。)

いまやスイッチ一つで火がつく時代。
野外で少しでも煙があがれば煙たがられ、火事のリスクばかりが叫ばれることが多い世になりつつあります。

しかし、それはあまりにも人間が火から遠ざかり、スマート化、機械化が進み、人々が火の扱い方を忘れてしまってきているからではないか。と危惧しています。


整体師である私自身が、なぜこんなワークショップを展開するのか。
社会や環境への問題提起など、理由は探せばいくらでもあります。


しかし一番は、焚き火や小屋づくりを通して、出来る出来ないの能力値は関係なく、頼り頼られみんなが活躍できる場があることが楽しい時間だから。
そんな時間が、『人間らしい生き方』のひとつであると思えるからです。



今回のワークショップでは、以前作った竹楽器であるトンガトンや
うなり木、フレームドラムなどを奏でながら火を焚くというなんとも原始的なワークショップになりました。

参加者である珈琲マニアさんが
自家焙煎してくださったエチオピア珈琲豆
2人1組で行うヒモギリ式発火法
親子でも夢中になる!
ノコギリを使って木を切る練習


ケガをしないナイフの扱い方
木ぎれや骨を薄く削った板切れにひもを付けて
振り回すとブウーーーン、ウォーーーンと
音が鳴るうなり木。人類最古の楽器の一つです。
国によってはうなり木は、大地を潤す雨を呼び、
豊かな実りを予祝する
霊力を持つと信じられています。
『音楽』は
『音学』でも『音が苦』でもダメ。
楽譜が読めなくたって、技術がなくたって、
ドレミファソの音階じゃなくたって、
音を楽しむことが大切。


ナイフで木の枝を削って打楽器のバチを作り、
ヤカンやシャベルなどの金属を枝で叩いて楽器にしてしまう!なんて光景も見えました。


トンテンカンテン、ノコギリの音、かっこうやカエルが鳴く声、
そんな自然のBGMが満載の中の音楽も楽しみました。




滞在後半も、小屋作りは続きます。



東京都町田市、地域の図工室
まわる工作城運営の高木ちかこさん
助っ人に来函
夜は資料を見ながら作戦会議と宴。
働く皆んなのためにと
毎回お弁当をつくってくれた方も。
陰の立役者です。
このご飯があるから皆んな働けます。
端材で遊ぶ子どもたちの作品
小屋が完成したら、壁に飾ろうね。
初めて会った東京と函館の人たちなのに
小屋づくりを通して打ち解けていきます。


5日間で完成まではいけませんでしたが、
基礎、床、壁3面、屋根づくりの途中までいくことができました。
残りは、窓、扉の取り付けや、屋根をどうするか。等々。
手探りで考えながらの進行です。



実際にここまで作業をしてみた
素人の印象として、


□インパクトドライバーや丸ノコ、差金などがある程度扱えると作業が早く進む
(野外で電源が使えない場合は充電式のドライバー、もしくはポータブル電源があるとスムーズに進められます。)

□丸ノコがなくとも、手動ノコギリでもまっすぐ材が切れる人がいれば大丈夫

□小屋だからと気張らずに、そこまで正確じゃなくとも、アバウトでなんとかできる。

□出来る出来ないは関係なく、はじめましての人たち同士でも、適材適所で活躍する場が自然と生まれ、場の一体感が増していく。

大きくこの4点の感想をもちました。


今回の企画に関わって下さった
現地函館の助っ人さん、
わざわざ来函してくれた関東からの助っ人さん、
興味関心を寄せてくださった全ての皆さん、
本当にありがとうございます。

まだまだ作業は続きますが、今回の滞在はここまで。
窓や扉のデザイン、屋根をどうするかは今後進めながら案を練っていく予定です。


小屋づくりなんて、素人にできるのか?
火起こし・焚き火ワークショップって何?
そんな方の参考になれば幸いですし、こんな貴重な体験を楽しむ方が全国に増えていくと嬉しいなと勝手ながら思っております。


そして、こんな活動は、一見野口整体とはなんの関係もないことのように思いますが、わたしの中では、
「生きるとはなにか。」
「すこやかさとはなにか。」
「自身の幸せとはなにか。」
という問いの延長線にある活動です。


今後のご報告も楽しみにお待ち下さい。



●小屋づくり参考資料●

https://koyataizen.com/wp-content/uploads/2018/01/3jokoya.pdf

https://diyers.co.jp/articles/wLtNU


ご拝読頂き、ありがとうございました。

https://www.noguchiseitai-takiguchi.com

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