布施音人

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布施音人

平日システムエンジニア、休日ジャズピアニスト 旅行が趣味 ホームページ→https://otohitofuse.com/ ブログ→https://www.otohito-blog.net/

最近の記事

禅とジャズ

鈴木大拙『禅学入門』最近ふと思い立って、本棚で眠っていた鈴木大拙著『禅学入門』(講談社学術文庫)を手に取ってみた。 「禅は繰り返しを好まない」というようなフレーズが出てきたと記憶していて、高校三年生の頃に読んでいてとても感銘を受けた覚えがある。その箇所を見つけたので、引用する。 いかなる風にせよ、繰返しや真似は、禅の好まないところである。すなわちそれは殺すからである。同じ理由で禅は断じて説明をしない。ただ肯定するのみだ。人生は事実である。そしていかなる説明も不要である、肯

    • 「蒲田止まり」みたいなやつ

      鉄道路線、特に、都市部と郊外を結ぶようないわゆる通勤路線は、その停車駅や運転区間のパターンに注目すると、いろいろと面白かったりする。ここでは、「○○止まり」のような、路線自体の終点まで行ってくれない列車についてよく思うことを書く。 蒲田パターンたとえば京浜東北線に、蒲田行きというのがある。もう一駅いけば川崎なのに、そこまでは行ってくれない(蒲田自体も大きい街だが)。優等列車との関係で見ても、並行する東海道線は品川の次が川崎だから、たとえば品川と蒲田の間の各駅(大井町、大森)

      • 知らない街を歩くこと

        知らない街を歩く私は知らない街を歩くことが好きだ。 例えば、普段は利用しない鉄道駅の近くで用事がある時。少し早めにその駅に着いて、敢えて反対側の出口を出てみたりする。 駅に周辺の案内図などがあればそれを見てみる。この駅の近くには何があるのだろう。近くにある幹線道路は何か。街の中心は駅から遠いか近いか。耳慣れない名前の施設に思わず笑うこともある。川や海、山などがある場合はその風景にも思いを馳せる。自分なりに読み取れるものをここで読み取っておく。また、大雑把にどういうルートを

        • 無意識下にすり込まれている方角意識—地形と光/陰が作る風景

          東京西部に住んですり込まれる「西高東低」の感覚最近書いたこの記事を読み返していて、とあることに気がついた。 例として挙げたダムの例が、全て西が上流、東が下流という例になっていたのである。何も考えずに書いたこの概念図すらそうである。 私は東京都西部、西武池袋線や西武新宿線の沿線で育ってきた。小学校の遠足で出かけたのは、西武池袋線・秩父線を西北西の方へ進んで行った飯能や秩父の山々であったし、海や低地を見に行く時には、台場や東京湾アクアラインなどを目指して東へ進んだ。それによっ

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          ダム建設で付け替えられた道の名残が好きだ

          概要全国にはたくさんのダムがある。ダムは川の水をその堤体によってせき止め、結果その上流側にはダム湖ができる。 ダムの上流側では、元々の川の流れはダム湖の底に沈む。そして、古来より谷筋に沿って存在していた街道や、道沿いにある街なども沈んでしまうため、高地への移転を余儀なくされる。 一方、ダムのすぐ下流では、川の流れの様子はあまり変わらない。特に湖に沈むこともないので、道や街の移設の必要もない。 ただ、下流から上流へと進むとき、ダム直前まで旧来の谷底の道筋を辿り、堤体付近で

          ダム建設で付け替えられた道の名残が好きだ

          「郷土愛」は「独りで宇宙と対峙すること」である

          「栃木の魅力は?」「ないんだな、それが」ネット上で有名な画像の1つに、とある番組内で、「栃木の魅力は?」とインタビュアーに聞かれた栃木県民のリーゼント頭の男性が「ないんだな、それが」と答えるシーンのキャプチャ画像がある。 このシーンの前後を見たことはないので、正確な文脈は分からないが、この男性はとてもすがすがしい笑顔で「ないんだな、それが」と言っている。この発言を単なる"自虐"と取ることもできるが、この男性が、本当に自身の地元を魅力がなく空虚なものだと感じたり、今すぐ出て行

          「郷土愛」は「独りで宇宙と対峙すること」である

          写真における「言語を介さない思考」

          私は写真を撮ることが好きである。旅行先では大量に写真を撮るし、ちょっとした出先で良い光景に出会ったとき、なぜカメラを持ってこなかったのだろうと悔やむことはとても頻繁にある。 しかし、なぜこんなにも写真を撮ることに熱中しているのか、それは自分でもよく分からない。 世の中には写真を趣味としている人が大勢いる。そして、そのような人たちの写真を撮る動機も様々であると思う。 この記事、そしてこれに続いて書こうとしている記事群は、一般的な写真愛好家のモチベーションやその傾向などは置

          写真における「言語を介さない思考」