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インド神話―マハーバーラタの神々


インド神話―マハーバーラタの神々

 題名のとおり、インド神話を紹介した本です。
 日本語で書かれているインド神話の資料のうち、二〇一二年現在で、最も入手しやすく、読みやすいものだと思います。文庫本ですからね。

 インド神話は、膨大で、複雑怪奇です。素人は、どこから手をつけていいのか、わかりません(^^;
 本書は、迷えるインド神話初心者に対して、良い導きとなってくれます(^o^)/

 インド神話の中で、有名な話は、だいたい、本書に載っています。

 インドの神々の歴史は、三千年以上昔の文献『ヴェーダ』に始まります。
 『ヴェーダ』の神々のうち、現代までも信仰が続いている神々が、何柱も―神さまは、一柱、二柱と数えますね―います。ヴィシュヌ、サラスヴァティー、スーリアなどが、そうです。

 もちろん、忘れられてしまった神々もいます。忘れられるまでは行かずとも、勢力が弱ってしまった神々も、多いです。
 完全に忘れられた神としては、ディアウス、ウシャス、アラニヤーニーなどがいます。勢力が衰えた神としては、インドラ、ヴァルナ、ミトラなどがいますね。

 本書には、これらの神々が紹介されています。

 また、『ヴェーダ』時代からはるかに隔たった、現代のインドの神々も、紹介されています。破壊神シヴァ、その神妃パールヴァティー、創造神ブラフマン、ヴィシュヌの著名な化身クリシュナなどです。

 インドの神々は、仏教の神々となって、日本でも信仰されています。
 例えば、インドラが帝釈天となり、ブラフマンが梵天となり、サラスヴァティーが弁才天となり、ヴァルナが水天となっています。お馴染みの名前が、いくつもありますね(^^)

 仏教を理解したい方にも、本書は、お勧めです。

 以下に、本書の目次を書いておきますね。

まえがき

第一章 ヴェーダの神々
 一 ヴェーダ文献について
 二 リグ・ヴェーダの神々
 三 リグ・ヴェーダの創造神話
 四 ブラーフマナの創造神話
 五 ブラーフマナの神話
  (一)洪水神話 (二)天女ウルヴァシー (三)山の翼を切ったインドラ
  (四)三都を破壊するシヴァ

第二章 叙事詩の神話
 序
 第一話 大海の攪拌【かくはん】と甘露
 第二話 竜を食うガルダ鳥
 第三話 金剛杵【ヴァジュラ】の由来
 第四話 海水を飲みほしたアガスティヤ仙
 第五話 ガンガー(ガンジス)の降下
 第六話 インドラの復権
 第七話 ヴァシシタとヴィシュヴァーミトラ
 第八話 南十字星になった王
 第九話 シャクンタラー物語
 第一〇話 天女ランバー
 第一一話 天女ティローッタマー
 第一二話 一角仙人の伝説
 第一三話 チヤヴァナの回春
 第一四話 生命を妻に与えたルル
 第一五話 海中火の伝説
 第一六話 シビ王の捨身
 第一七話 長寿の亀
 第一八話 蛙【かえる】の奥方
 第一九話 毘沙門天と羅刹【らせつ】王
 第二〇話 スカンダ(韋駄天)の誕生
 第二一話 シヴァとパールヴァティー

第三章 ヴィシュヌ神話
 序
 一 梵天がヴィシュヌの臍【へそ】から生じたこと
 二 北極星となったドゥルヴァ
 三 ヴィシュヌの化身(アヴァターラ)
  (一)猪となったヴィシュヌ (二)人獅子となったヴィシュヌ
  (三)亀となったヴィシュヌ (四)朱儒【しゅじゅ】となったヴィシュヌ
  (五)魚となったヴィシュヌ (六)ラーマとなったヴィシュヌ
  (七)パラシュラーマとなったヴィシュヌ (八)クリシュナとなったヴィシュヌ
  (九)ブッダとなったヴィシュヌ (一〇)カルキとなったヴィシュヌ

第四章 クリシュナ伝説
 序
  (一)ヴィシュヌ神の降臨 (二)クリシュナの誕生 (三)幼児クリシュナ
  (四)クリシュナの少年時代 (五)カーリヤ竜を退治する
  (六)牧女たちの衣服を奪う (七)ゴーヴァルダナ山を持ち上げる
  (八)カンサの誅殺【ちゅうさつ】 (九)クリシュナの結婚 (一〇)プラデュムナ

参考文献
文庫版あとがき
事項索引
神名・人名索引



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