中国王朝の起源を探る (世界史リブレット)


中国王朝の起源を探る (世界史リブレット)

 山川出版社の『世界史リブレット』シリーズの一冊です。
 薄い本ですが、内容は濃いです(^^)

 中国の歴史が長いことは、よく知られていますね。その王朝の始まりは、はっきりわかっていません。
 本書は、王朝の始まりの謎に、迫っています。

 現在の日本では、「中国の最初の王朝は、商【しょう】(殷【いん】)だ」と教えていますね。伝説によれば、商王朝の前に、夏【か】王朝があったことになっています。

 本家の中国では、近年、「夏王朝の実在を認めよう」という動きが、盛んです。それは、もちろん、考古学の発掘が進んで、新しい発見があったからです。
 ただし、夏と呼ばれる―あるいは、自称する―王朝が、本当に、商王朝の前にあったかどうかは、まだ、確定していません。

 このあたりのことを、本書は、解説しています。
 本書によれば、伝説をそのまま踏まえて、夏王朝を認めるには、時期尚早のようです。

 本書では、伝説の夏王朝と、実在した商、西周【せいしゅう】王朝について、近年の研究成果が語られています。草創期の中国の王朝が、どんなものであったか、少しずつ、明らかになっています。

 草創期の中国の王朝について、手っとりばやく知りたければ、本書を読むのが良いと思います(^^)

 以下に、本書の目次を書いておきますね。

中国古代史についての認識

1 中国古代文明の発生と展開
2 夏王朝は「認知」できるか
3 神と人の殷王朝
4 戦う西周王朝



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