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密教法具 (日本の美術 No.282)


密教法具 (日本の美術 No.282)

 仏教の中の密教では、いろいろな「法具」というものを使います。この「法具」について、解説した本です。

 一般向けに、密教法具を解説した本は、ほとんど、ありません。本書は、貴重な資料です(^^)

 一般的に、最も知られた密教法具と言えば、金剛杵【こんごうしょ】でしょう。独鈷杵【とっこしょ】、五鈷杵【ごこしょ】などといった言葉を、聞いたことがありませんか? これらの「○○杵【しょ】」というのが、金剛杵の仲間です。
 『孔雀王』などの漫画で知った方も、多いかも知れませんね(笑)

 金剛杵以外にも、密教では、多くの法具を用います。
 本書では、密教法具の始まりから、丁寧に解説されています。密教法具について、なんの予備知識がなくても、わかりやすいです。
 ただ、文章が少し堅苦しいので、読みにくいと感じる方も、いるかも知れません。

 少なくとも、日本の密教法具については、本書一冊で、基礎的なことを、ほぼ網羅しています(^^)

 以下に、本書の目次を書いておきますね。

密教のはじまりと法具
上代雑密【ぞうみつ】系の法具とその背景
純密の受け入れと法具
現存法具にみる請来【しょうらい】法具
請来図像にあらわされた法具
わが国における密教法具の制作

密教法具の種類
 金剛杵【こんごうしょ】
  独鈷杵【とっこしょ】/三鈷杵【さんこしょ】/五鈷杵【ごこしょ】/
  九鈷杵【きゅうこしょ】・九頭龍杵【くずりゅうしょ】/
  宝珠杵【ほうじゅしょ】/ 塔杵【とうしょ】/五種杵

 金剛鈴【こんごうれい】
  独鈷鈴【とっこれい】/三鈷鈴【さんこれい】/五鈷鈴【ごこれい】/
  九鈷鈴【きゅうこれい】/宝珠鈴【ほうじゅれい】/
  塔鈴【とうれい】/五種鈴/ 金剛盤

 輪宝【りんぼう】
  羯磨【かつま】

 金ペイ【こんぺい】(※「ペイ」は、ネットで表記できない漢字。金へんに卑。「金卑」)
  四橛【しけつ】(※「橛」は、環境依存文字。「獗」のけものへんを木へんに変えた字)

 供養具
  火舎【かしゃ】/花瓶【けびょう】/六器【ろっき】/
  灑水器【しゃすいき】/ 塗香器【ずこうき】/飲食器【おんじっき/   閼伽桶【あかおけ】/燈台

 護摩具【ごまぐ】
  護摩炉/護摩杓【ごましゃく】/護摩壇【ごまだん】/
  修法壇【しゅほうだん】/ 華形壇【けぎょうだん】/箱壇/
  牙壇【げだん】/密壇

密教壇供【だんく】
  大壇供/護摩壇供/密壇供

舎利を奉籠【ほうろう】した法具

図版目録
参考文献

対談 密教法具の受容とその背景  頼富本宏【よりとみ もとひろ】/阪田宗彦【さかた むねひこ】



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