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妖精の国の住民


妖精の国の住民

 イギリスの妖精について、解説した本です。
 イギリスの妖精学の権威、キャサリン・ブリッグズ女史の著作です。翻訳者は、日本の妖精学の第一人者、井村君江さんです。

 二〇一二年現在では、三十年以上前に、邦訳が出た本です。とはいえ、その価値は、まったく揺らいでいません。
 イギリスの妖精について知りたいなら、非常に役に立つ本です(^^)

 妖精という存在は、架空のものですから、分類が難しいです。
 本書では、その、とらえどころのない妖精を、うまく分類して、紹介しています。それぞれの妖精について、具体的に、その妖精が登場する民話も、紹介しています。

 本書の邦訳が出た当時には、これほど詳しい妖精に関する本は、日本語では、ほとんどなかったでしょう。今以上に、ありがたい本だったと思います。
 日本語で、「妖精学」という言葉が現われたのも、本書が最初ではないでしょうか。

 以下に、本書の目次を書いておきますね。

まえがき
序文

第一部 国をなす妖精
 A 英雄妖精
  (英雄妖精の話)
   魔法の丘のフィッツジェラルド伯爵
   正直トマス
   帰ってきたオシイン
   小作人と牡牛
   緑の子供たち
   向こう見ずエドリック
   タムレイン
   公子ローランド
   妖精と鍛冶屋

 B 群れをなす妖精
  (群れをなす妖精の話)
   ベティ・ストッグスと小さな人たち
   妖精のお弔い
   盗っ人【ぬすっと】妖精
   馬と帽子
   欲ばりと妖精のお祭
   妖精と牝牛
   働きもの女房の夜なべ仕事
   妖精と踊ったリイス
   連れ去られた婦人

 C 家庭的な妖精
  (家庭的な妖精の話)
   ゼノア村のチェリー
   妖精の産婆
   もの借り妖精
   スキリーウィデン
   コーの御領主さま
   上のほう、下のほう
   ハベトロット
   〈おだやな女の人〉と鍋
   レプラカーン

第二部 守護妖精
  (守護妖精の話)
   ヒルトンの冷たい少年【コールド・ラッド】
   ジェッドバーグのブラウニー
   ニースディルのブラウニー
   クランショーズのブラウニー
   泥んこ足【パドルフット】
   ブラウニーからボガートへ
   ボガート
   プーカ
   親切なピクシー

第三部 自然の妖精
  (自然の妖精の話)
   メロウと魂の籠【かご】
   キュアリーの老人
   漁師とアザラシ人間ローン
   水馬【みずうま】と水牛【みずうし】
   グウレイグを三度打つと
   ミュアーの茶色男【ブラウン・マン】

第四部 怪物・魔女・巨人
  (怪物・魔女・巨人の話)
   ビリー・B――の冒険
   クラッホ・モーアの石とバードノッホの魔女
   老婆とヘッドレイ・コウ
   ランプトンの龍【ワーム】
   レーキンの由来

解説――ブリッグズ女史の妖精学
訳者あとがき
妖精小辞典
参考書
索引



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