ジャンボジェットのネズミ―ヨーロッパの現代伝説
これは、ドイツの都市伝説を集めた本です。副題に、『ヨーロッパの現代伝説』とありますが、「現代伝説＝都市伝説」と考えて、ほぼ、間違いありません。
全部で、百三話が載っています。ヨーロッパの都市伝説を、これほどたくさん集めた本は、少ないです。
出版されたのが一九九三年のため、二〇一〇年現在では、古くさく感じる伝説もあります。
けれども、多くの伝説は、現在でも通じそうなものです。どんな人でも、「どこかで聞いた話」を、一つや二つ、見出せるでしょう。ドイツと日本とでは、とても離れていますのに。
それどころか、ドイツと日本と米国と、という具合に、三ヶ国以上で確認される伝説さえあります。
ジャン・ハロルド・ブルンヴァン氏―米国の都市伝説研究者―の一連の著作と、読み比べてみると、面白いでしょう。
正式なニュースとして、報じられてしまう伝説もあります。
例えば、AFP通信が伝えた、以下のニュースを、読んでみて下さい。
飛行機を走り回る80匹のネズミ、機内はパニック - サウジアラビア（AFPBBニュース、2006/12/15）
http://www.afpbb.com/article/1177533
上記のニュースは、この本の題名になっている『ジャンボジェットのネズミ』伝説そのものです。
この本を入手できる方は、ぜひ、ドイツの『ジャンボジェットのネズミ』伝説と、上記のニュースとを、比べてみて下さい。
この本を読んで、面白かったら、同じ著者―ロルフ・ヴィルヘルム・ブレードニヒ氏―の『悪魔のほくろ』もお勧めです。
以下に、この本の目次を書いておきますね。
I 東ドイツ
1 歓迎金
2 自分とこのリンゴでも食ってろ！
3 四十年も贅沢ざんまい
4 トロピカル・フルーツ
5 名調子、お涙ちょうだい
6 ビデオデッキじゃなかった！
7 お得なまとめ買い
8 東ドイツはライヴァル
9 マイセンの陶器
10 東ドイツの労働倫理
11 トラビとヴァルトブルクのレース
II 自動車と交通
12 ジャンボジェットのネズミ
13 開かずのコクピット
14 飛行機初体験
15 降ってくる氷
16 消えたヒッチハイカー
17 人間、金がなきゃ
18 フォルクスワーゲンにエンコした象
19 サイドミラー
20 車体破損
21 新婚さんの車
22 シートの問題
23 フラッシュ三回
24 スコットランドの霧
25 災難
26 ブレーキ検査
27 自転車乗りの復讐
III 日常生活奇談
28 魔法の電球
29 忘れ物はシャーマン戦車
30 身から出た錆
31 引力
32 人喰い機械
33 転轍機に挟まった足
34 粗大ゴミ
35 復讐は電話で
36 コンピュータマニア
37 仕返し
38 自殺
39 物理の試験
40 個人保険の患者
41 どうしてもとれない
42 煙草は長生きのもと
43 泥棒侵入！
44 泥棒だってなめまっせ
45 誤射
46 点検
IV バカンスと異郷
47 消えたホテルルーム
48 カジノのスキャンダル
49 凍ったパラグライダー
50 ピサの斜塔
51 幽霊船
52 本場のキャメル・レザー
53 判決はリンチ
54 スペインの野蛮な習慣
55 シャンデリア
56 車に轢かれたカンガルー
57 臓器泥棒
58 降りた女
59 ライオネル・リッチー・ストーリー
V セックス
60 ピル
61 凍りついた給油口
62 誕生日のハプニング
63 人違い
64 ハロウィーン・パーティ
65 お返しに
66 全身入れ墨
67 キルケニーの未亡人
68 セックスビデオ
69 覗き
70 バットマン
71 危険な情事
72 オナニーの顛末
VI 飲食
73 喉に詰まったチキンの骨
74 ポーランド人のグラーシュ
75 犬を連れた夫婦
76 最後のブツ
77 フィンガーボウル
78 甘い死
79 マイスターヴルツ
80 クラウスターラー
VII 動物
81 死んだブルーノはどこへ行った
82 二重の損失
83 航空貨物の猫
84 壁紙を食べる鳥たち
85 ガチョウ愛護
VIII 思いがけない死
86 盗まれたお姑さん
87 誰も彼をいらない
88 偽装事故
89 死亡年月日
90 有毒ウェディングドレス
91 ナイフ入りの毛皮のコート
92 麻薬ベビー
IX 奇妙な偶然
93 遺産相続人
94 堅信礼の晴れ着
95 イタリアの靴
96 消える試着室
97 ジッパーに挟まったテーブルクロス
98 歯がない
99 一難去ってまた一難
100 軽すぎるお産
101 へそ栽培
102 ハンドバッグ
103 老婦人のトランク
解説
あとがき
参考文献
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