パプアニューギニア100の素顔―もうひとつのガイドブック 伝統農耕と植物資源の宝庫
パプアニューギニア100の素顔―もうひとつのガイドブック 伝統農耕と植物資源の宝庫
パプアニューギニアという国について、わかりやすく紹介している本です(^^)
パプアニューギニアとは、オーストラリアのすぐ北方にある、大きな島国です。
オーストラリアは有名なのに、パプアニューギニアについて知る方は、ほとんどいませんね。
高齢の方は、第二次世界大戦時に、日本軍の戦場になったことを、覚えてらっしゃるでしょう。
パプアニューギニアの自然も、文化も、普通の日本人にとっては、珍しいことばかりです。最近は、普通の海外旅行に飽きた方々に、人気がある旅行先だそうですね。
でも、パプアニューギニアを紹介したガイドブックは、非常に少ないです。
本書は、貴重なガイドブックです(^^)
写真が多い本です。ほぼ全ページに、カラー写真が載っています。
文章は、短く、読みやすいです。写真を見ながら、さらっと読めてしまいます。
パプアニューギニアの初心者に、お勧めです。
本書は、東京農業大学が行なった、パプアニューギニア調査の副産物です。
農業大学の視点で書かれているため、食用植物や、農業の話が多いです。そこがまた、興味深いところです。
「遠い昔、農業を始めた私たちの先祖も、こんなだったかも知れない」と感じます。
以下に、本書の目次を書いておきますね。
はじめに
刊行にあたって
■魅惑のパプアニューギニアへ
1 パプアニューギニアという国
2 100年前の森に生きる人々
3 首都ポートモレスビー
4 かつての首都、今も自然文化の中心地ラエ
5 緑豊かな公園都市マダン
6 網走の真南に位置する調査基地ウェワク
7 木材輸出で活気のあるバニモ
8 真夏でも肌寒い高地テレフォミン
など
■自然と伝統文化への誘い
13 市場に集まる様々な種族の顔
14 市場は周辺の地場産物の展示場
15 絶滅危惧動物クスクスまで並ぶローカルマーケット
16 何でも呑み込む万能袋ビルム
17 今でも土器は生活必需品
18 パプアニューギニアを象徴するシンシン
19 精霊と生きる
20 セピック川の中流域に遊ぶ
など
■熱帯雨林起源の食用植物バナナ
25 森の王者、世界最大の野生バナナ
26 上向きバナナとその祖先種
27 バナナの親戚エンセテ
28 バナナの種子
29 野生バナナの宝庫
30 ニューギニアはバナナの起源地か
31 おらが村のバナナ
32 低地のバナナ、高地のバナナ
など
■ホームガーデンと焼畑農業
40 伝統農耕の原点を支える掘り棒
41 焼畑にみる根菜文化と混作文化
42 合理的なアグロフォレストリー
43 テレフォミンの移動耕作
44 平地を拓【ひら】くルミの焼畑
45 立木を残すヌクの焼畑
46 沿岸地ソワムでの焼畑
47 谷筋に拓くシビランガの焼畑
■サゴ・ヤム・タロの世界
48 サゴというヤシ
49 ビナタンは最高のご馳走
50 幹を削ってサゴ粉をとる
51 洗い出すサゴデンプン
52 サゴ粉を料理する
53 ヤムイモと祭り
54 ヤムイモを育てる
55 ヒクイドリの化身か、多様なイモの形
など
■珍しい食用植物
62 ピットピットの畑
63 二つのピットピット
64 チューリップを食べる
65 チューリップの実とその利用
66 不思議な作物”マリタ”
67 マリタのいろいろ
68 マリタの調理と食べ方
69 タコノキのナッツ”カルカ”
など
■未開の森を飾る多様な植物達
75 高地の豊かな森
76 食虫植物や珍しいアリ植物
77 悠久の歴史を秘めるシダ植物
78 多様なシダの世界
79 森の中を彩る園芸価値の高い花々
80 林縁を彩る花木
81 あまり知られていないジンジャーの仲間
82 林床と林冠の狭間に咲くつる植物の花
など
■パプアニューギニア調査追想と余話
89 パプアニューギニアの顔・顔・顔……
90 テレフォミン ドナー山峠で
91 森がとりもつ人の絆【きずな】
92 トイレとミツバチ
93 石蒸し料理「ムームー」
94 森に現われた不夜城タブビル
95 ルミの有力者、ポール・イェペイ
96 メモをとるのは頭の悪い証拠
など
■パプアニューギニアの概要
あとがき