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源氏物語「葵巻」を読む

 今の時点で既に「澪標巻」まで読み終えている。つまり、記事を書いていなかっただけ。塵も積もれば何とやらで、少しあと伸ばしにしていたところ、次第にいつ読んだかも忘れるようになってしまった。付箋を付けいていたことが救いであって、それを頼りにお気に入りの場面や描写を紹介したい。


 やはり、「葵巻」と言えば葵の上と六条御息所の車が鉢合わせになるあの場面であろう。有名な場面であるため割愛するが、女と女の闘いが生々しく描かれている。(まさか乱闘ではないが。)そして、この六条御息所といえば、以前も紹介したかもしれないが、生霊や亡霊として『源氏物語』の中で物語を「起承転結」で言えば「転」にもっていく役割を担うこととなる。以前から対立していた葵の上と六条御息所であるが、葵の上は物の怪に苦しめられる。そしてそのまま亡くなるところも急展開であった。


 悲しみに暮れる左大臣家であるが、その中で葵の上の兄弟にあたる頭中将が詠んだ歌が印象深かった。


雨となりしぐるる空の浮雲をいづれの方とわきてながめむ


 空の浮雲と亡くなった葵の上を重ね、幻想的であるが哀愁のある歌となっている。亡くなった人を思うとき、確かに空を見上げる印象はあるが、どちらかといえば青空にその影を映し出すような印象であった。そのため、雲と重ねることに意外性があった。



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とさて、このあたりで終えておかないと、このあといくつの記事を書けばいいのかというほど書かなければならないので。とりあえず、今読み終えている「澪標巻」までは追いつきたいところ。


最近は夏も終わりかなあという風が吹いていますが、なかなか昼は日差しが強くて驚くばかりです。季節の変わり目の体調管理‼

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