僕の使命

久保田牧土（くぼたまきと）の牧土という名前。響きとしてはあるものかもしれないですが、牧土という漢字の表記はよく珍しいと言われます。

三人兄弟の合作！？

亡くなった父が考えてくれた名前ですが、三人兄弟の名前の関連で名付けてくれたと聞いたことがあります。姉が花に関するもの、また弟の名前は日光に関する漢字を携えています。

姉が産まれてから、その花を咲かす為には養分の豊かな土が必要になるので、僕の名前に繋がったと聞きました。そして太陽の光が必要だったから弟が産まれた。最初からそうしようとは考えていたかどうかは定かではないですが、結果として三部作なんです。

父の心配事

父は２番目の僕が産まれて来る時、「まきと」という音を最初に決めて、それに当たる漢字を熟考の末、「土」に決めました。その時、一つだけ懸念がありました。「牧土」と書く事で、「ぼくし」と読まれないかどうかという心配です。特段、宗教にこだわりの無い家庭環境だったのですが、子供の名前の音として「ぼくし」は受け入れ硬いと思っていたのです。

それが僕が産まれてすぐに、病院の看護師さんが病室の名札を見て

「おめでとうございます、息子さんのお名前、ぼくし君なんですね！」

と言われ、ひっくり返りそうになったと、生前よく話してくれました笑

アメリカ人の思わぬ解釈

時は下り、社会人になってからメキシコを訪ねることがありました。その帰国はアメリカ経由でしたが、空港のイミグレで、担当のお姉さんからまさかの印象的な質問がありました。

What does Makito stand for?
（マキトって、どういう意味なの？）

なんともアメリカ人らしい自由な問いに感心しながらも、まさかここで名前の事を聞かれようとは夢思いもしていなかったので驚きました。自分の兄弟との関連をどうやって英語で伝えようと考えていると、間も無くその人は僕に再び聞いてきました。

Is that kind of LOVE?
（ひょっとして、愛って意味じゃないの？）

とっさにその場で早く帰りたかったこともあったのでYESと返事しました。

すると「マキトって名前はあなたで五人目なの。みんないいやつで、私はその名前が気に入ってるわ。（税関を）通ってよし。」

内心、なんちゅう確認の仕方や！っと頭で思ったもの、その人の人柄の良さに心を撫で下ろして帰国しました。

よく聞いてみると、発音は「マキーシャ」だったかと思いますが「マキト」はどうやらアメリカでは、「愛」という素敵な意味になるようです笑

クリスチャンではありません

「まきと」という響きからか、クリスチャンですか？と聞かれる事も稀にあります。前述の通り特定の宗教に強い信仰があるわけではありません。（蛇足ですがいろんな神様の話はむしろ好きで尊重はしております。）取り立ててその理由を聞いた訳でもないので、キリスト教とどのような関連があるのかは存じないです。

名前をつける立場になって

今、自分の子の名前を考える立場になって、名前を考える事の楽しさを感じます。親が子に一番最初にプレゼントするものになることが多い、名前。ほとんどの場合、その名前を背負って生涯を過ごすので本人にとっての幸せを祈りながら考えます。その行為自体が尊い事に思います。

天から降りてきた時、使命を帯びる

古事記にはこうあると聞きます。

高天原という、いわば天界からいざなぎの神（男）といざなみの神（女）が「二人で国を産む」と言う使命を与えられて下界に降りて来られます。
下界に降りてきた時に互いの呼び名が「いざなぎの命、いざなみの命」と呼び名が「神」から「命」（みこと）に変わりお働きになるのです。
つまり、僕らもそれぞれ使命（氏名）を帯びてこの世に産まれてきた、名前をつけると言う事は命を吹き込むって事なんです。
「命名」っていいますもんね。

よく聞く話で、生まれてくる赤ちゃんはお空の上から両親のことをずっと見ていて自分がどの家に生まれたいかを自分で選んで、この世、いわば下界に降りてきている。
それぞれ、気づいているかどうかは別として自分の使命はあると思うんです。それを具体化したものが、氏名、つまり使命なのだと思うのです。

牧土への今の解釈

父になったことにより一層、自分の名前をつけてくれた親への感謝が湧いくるのですが、何となく自分なりに今、父からのメッセージを解釈すると、兄弟間でも一つの花を咲かせる為の肥料になりなさいとあるように、

「社会という大きな枠組みの中で、日の目には当たらなくともお前の出来る貢献の仕方を見つけ働きなさい。」

そう言われているように感じます。なかなか期待されたように、よく出来た人間にはなれませんがね。

まとめ

今回、自分の名前を掘り下げて見て分かった事ですが、最終、自分のとても深い部分を見つめる事になったと思います。面白いですよ。あなたの氏名（使命）はなんですか？