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絵を描くことは癒すこと
私は小さな頃から絵を描くことが大好きでした。
兄弟もいなかったので、内職をする祖母の隣で黙々と絵を描いていました。
祖母や親から上手だと絶賛された訳でもなければ、一緒に描いてもらったということでもありません。
ひたすら1人で描いていました。
もちろんそこには上手下手という概念はなく、ひたすらに自分の中の何かを紙の上に映し出していました。
成長していくにつれ、絵を描くことは自己表現の一つだと認識するようになりました。
私はあまり積極的なタイプではなかったので、自分のことを行動で表現することが苦手で、学校で思うことがあっても表現できずにもやもやすることもありました。
家に帰って、自分の中にある世界を描こうとしてみたり、好きな漫画のキャラクターを描いてみたり。。
漫画であろうと抽象画であろうと、描くものは変われど、絵を描く時間は誰にも踏み入ることのできない大事な楽しい時間になっていました。
今思えばあの時、絵を描くことは自分を癒す作業になっていたのでしょう。
学校生活という、社会の中で生きていくためには周囲と自己の考えのすり合わせが必要です。
まだ経験も浅く、知識も少ない子どもですから、様々な日常の場面の中で言葉にならないもやもやはたくさんあれど、どう消化してよいか分からない。
しかも、すぐには答えの出ないものがほとんど。
心の中がもやもやでパンパンに膨れていく。
そんな中で、絵は言葉にならない自分の思いを率直に形にできる自己表現の手段でした。
成長期、いろんな情報や感情をどんどんインプットして膨れ上がった自分の中から、絵を描くことでアウトプットしていく。
手を動かした分、時間をかけただけ形になっていく。しかも色とりどりな世界で。
その色彩によっても心の中が満たされました。
そしていつしか、私にとって絵を描くことは、生きていく上で自分を支える大事なものの一つとなっていました。
以前も書きましたが、何か形のあるものを描かなくても、一本の線を引くだけでも表現になる。
一本の線であろうと、点であろうと、それはその人だけしか描けない唯一無二のもの。
その何気ない点が、その人のつぶやきかもしれない。
書きなぐったような線が、その人の叫びかもしれない。
色彩の重なりが、その人の悩みや悲しみや喜びかもしれない。
インプットしていくだけでは、受け続けるだけでは、破裂してしまいます。
自分の思いを表現し、アウトプットしていくことで、癒され、更に成長して進んでいくことができるのだと思います。
心が極限状態だったり、疲れすぎていたりすると気づけないことがあるかと思いますが、
本来、皆自分の癒し方を本能的に知っているものだと思います。
大人の塗り絵が流行っているというのを見ても、わかります。
絵を描くことは、子どもにとっても大人にとっても楽しむだけでなく、癒すことにもつながります。
大切なのは、何を描くかではなく、ただ思いのままに描く、ことではないかと思います。
ちょっと疲れたなーと思ったら、紙とペンを持って、たまには絵を描いてみませんか?
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