見出し画像

事務処理方法の身につけ方~具体編~

はじめに

 このnoteでは、業務マニュアルや引継書、商品知識が整理された資料などが用意されていない中小企業に中途入社した事務員さんに向けて、異なる業界で事務職に携わってきた私がこうした状況でより早く正確に仕事を覚えるにはどうしたらいいか? と試行錯誤してきた内容を紹介しています。

 前回は、まずは簡単にまとめやすい「社内システムでの事務処理方法」から情報整理するといいですよ、という話をしました。

 今回は、具体的なメモの取り方と情報整理のポイントを紹介します。まずは、前回紹介した事務処理の例をもう一度。

 この入力画面で見積作成をする場合、先輩からこんな風に口頭で教わるとします。

先輩「まずトップ画面から見積作成を開いて。
得意先は検索で呼び出せるよ。呼び出すときはF1ね。カタカナの場合は全角だとヒットしないから半角で。
それから見積担当者は自分の名前。これは毎回同じだからコードで覚えるといいと思う。〇〇さんは11だね。
得意先担当者名は“様”は自動で入るから入れないで大丈夫です。
件名は今回は“ネコビル 床材の件”、納期…」

この時に私が「後から見返して楽に処理できる」と感じるメモの取り方はこんな具合です。

メモを取るときは、「処理の流れ」を追うように「画面のどの部分に何を入力するのか」を意識します。私はこれまで、①教わっているときには走り書き&箇条書きで手書きメモ、②ルーズリーフまたはExcelで再整理するようにしていましたが、フォーマットを決めてしまうと①の段階である程度整理しやすいです。
【事務処理の手順 フォーマット例】
・大見出し(ex.見積作成 新規)
・縦に三分割
  左:場所・手順・入力項目
  中:詳細
  右:備考

左の列には、検索のための目次、あるいは小見出しのような役割です。実際に事務処理をするとき、「この事務処理をする画面はどこにあったかな?」「この処理の後、何をするんだっけ」「この入力項目、注意点あったかな」という疑問が浮かぶと想定しています。

真ん中の列では、左の列の手順を書きます。文章よりも箇条書きで、矢印などの記号などを使って視覚的に、整理すると、処理の際に感覚的に進めることができます。

右の列の備考欄は、注意点を書く、後からわかった情報を追記する、等で活用します。

このフォーマットの役立て方

 このフォーマットは、事務処理の手順をまとめる時に使いやすいです。たとえば商品知識のように後から追加する情報が多い、検索のしやすさが重要、といったケースには向いていません。
 社内で共有するマニュアル(自分以外の人も活用するマニュアル)を作る場合は、処理画面のコピーが貼付されているとわかりやすいですが、今回の目的は「自分が仕事を覚えやすい」こと。そのために工夫したい点は、「後で自分が見たときにわかりやすく正確な処理ができるかどうか」だと考えています。
 
 整理するツールについては、個人的には整理する情報によってルーズリーフにまとめる方が使いやすい場合とExcelにまとめる方が使いやすい場合があるように思います。また、支給されるパソコンが2画面か1画面か、1画面でもシステムとExcelを横に並べて見やすい大きさか、という点を考慮することも、ストレスなく事務処理を進められるかどうかに関わってくると感じています。自分が整理しやすい方法をいろいろと試してみるのがいいと思いますが、私が思う選び方もまた別の記事で紹介できればと思っています。

 また、まずは自分自身が業務内容をしっかり理解して正確な事務処理に繋げるため、しっかり仕事をすることで自信を持って取り組むためのメモですが、ゆくゆくはこのメモ内容を基に業務マニュアルや引継書を作ることもできますよ。

まとめ

 最後に、前回の記事で紹介した「後で自分でみてわかりやすいメモ」のための工夫を紹介します。

☆未来の自分に親切に、小さなことも処理の順番通りに書こう
(初めはわからないことが多いので、手取り足取りメモしておいてあげると、後で迷いなく正確な処理ができるので楽です。例えば、画面を押すと「印刷を実行しますか?」【はい】【いいえ】のようなポップが出る場合も、ポップ「印刷を実行しますか?」→「はい」のようにメモしておくと迷わずサクサク処理できます)

☆画面上で迷子にならないように、画面上の場所もメモしよう
(慣れないうちや画面上の情報量が多い場合、意外と「どこにこの入力欄があったっけ?」と迷った経験がありました。そこで、<画面上段><左上アイコン>のように簡単に位置もメモしておくと処理するときに楽になりましたよ)

☆視覚的なわかりやすさは活用しよう
(これは手書きでメモする段階の話ですが、例えば、画面上でF1が□で囲まれてボタンのようになっていれば、その通りF1の文字を□で囲っておくとボタンだとわかりやすいです。文字ばかりだと読んだり整理したりが大変なので、視覚的に理解しやすい方法も取り入れると良いです)

注意点は後で役立つのでできるだけ拾おう
(教わっている最中に「全角では探せない」「“様”を入力してしまうと“様様”と表示されてしまう」「特価の場合はメモが必要」などの情報が出てきた場合、注意点だなと意識して処理漏れがないようにメモしておきます。常にマンツーマンで作った書類を先輩にしっかり確認してもらえる環境ならばその都度教えてもらうことができますが、先輩自身の業務量が多く、一度教えて後は自分で、という会社の場合は、できるだけアンテナを張っておく方が安心です)

 事務職は正確さが信頼に結びつきやすい職種なため、決まった手順をしっかり整理して早めに身につけられると、自信に繋がりますよ。

この記事が参加している募集

仕事について話そう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?