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忘れもしない日 ~人生のターニングポイントvol.14~ 家に帰ったはいいが・・・

5月末無事に退院をし、家に帰ることが出来た。
専門学校は9月の後期の開始から復帰できそうだ。

復学までの間、週2回外来でリハビリを受けることになった。

当時の義足は、吸着式ソケットだったため、サテンの布を脚に巻いて、脚を義足に入れて、バルブから布を抜きながら脚を義足に吸着させるものだった。

ちょうど履き方を解説している動画を見つけたのでリンクを貼っておきます。

動画で見ると簡単に履いていますが、慣れていないと、めちゃくちゃ苦労した。

初めての義足で、どれくらいの締め付けが正解かもわからなかったので、
かなりソケットはきつきつに作ったと思う。
そのせいで、なかなか脚が最後まで入らない。
頑張って履こうとすればするほど、汗だくになって余計に入らない。

「親が買い物行くけど行くか?」と言ってきたので、
義足を履こうと頑張ったが、どうしてもきれいに脚が入っていかず、
20分以上義足と格闘し、断念。

苛立ちから義足を投げ捨てた記憶がある。

この時の経験から、作業療法士の私の見解を述べると、

100%の努力を要するADLは継続しない!

当たり前のことが、
当たり前の時間で、
当たり前に行えないと無理。

例えば、服を着替えるのに1時間も2時間もかかってしまうのであれば、着替えますか?

着替えませんよね。

着替えないということは、外出もしたくなくなりますよね。

外出しないということは、他者とのかかわりもなくなりますよね。

活動、参加を阻害する負の連鎖に陥りますよね。

まさに、ICFの考え方

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家の中での生活(トイレに行ったり、風呂に入ったりなど)は、当たり前に出来るようになったのですが、まだまだ、義足を履いて外に出るまでには、めちゃくちゃ時間がかかってた。

しかも、この吸着式ソケットだと、常に布とベビーパウダーを持ち歩かないといけないので、面倒でしたね。

今は、シリコンライナーにピンが付いていて、そのピンを義足に差し込むだけなので、超簡単です。

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たぶん義足を履くのに2分くらいだと思う。
靴下を履くくらい簡単なことになった。

結局何が言いたいかというと、

退院がゴールじゃないよ。
「家に帰れて良かったですね」がゴールじゃないよ。
食事、排泄、更衣、入浴、整容、移動が
出来たらOKじゃないよ。
24時間365日その人の生活を考えないとだめだよ。
その人の生活の中に、生きがいになっていたものや、
生きがいになるものが出来てこそのゴールだと思うよ。

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