先輩からのアドバイスの話 《 第157話 》
ウサギくんがいなくなったことで、ついそのことばかりに意識が集中してしまいました。
当時の状況を考えると、それは仕方のないことかもしれませんが、先輩経営者から「今こそ会社全体に目を向けるべきだ」というアドバイスをいただきました。
前年から積極的にスタッフを増員し、半年前には『えがお美容室』の拡大、『えがお洋品店』と『えがお爪工房』の新設と、店舗も急速に拡大していました。
準備万端で進めたというよりは、勢いに任せて拡大していったため、スタッフ全員が日々試行錯誤しながら働いていました。
そんな中で、今回のような大きなトラブルが起きたことで、組織がバラバラになり、機能しなくなるのではないかと先輩経営者が懸念し、アドバイスをしてくれたのです。
個々のスタッフの技術は申し分ありませんが、「組織拡大の過程では、まだ一枚岩になりきれていないため、危うい」と、先輩は自身の経験から知っていたのだと思います。
確かに、このアドバイスを受けてからは、会社全体に目を向けるよう意識を変えることができました。
正直なところ、トラブル処理に集中したかったのですが、このアドバイスのおかげで、他に大きな問題は起こりませんでした。先輩経営者の助言によって、トラブルを未然に防ぐことができたと言えるでしょう。
今回の経験は、組織を作り上げる難しさを改めて実感するきっかけにもなりました。