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【推し記事】こどもの食の支援「苦手」の裏にある理由


推し記事シリーズは私が読んでいて感銘を受けた、学びを得た記事や情報について感想を書いて紹介している記事になります。

以前に紹介したものはこちらのマガジンにまとめているので、是非見てみてください。

▶︎おすすめ紹介マガジン


さて、今回はこちらの記事。

▶︎食べることへの指導(頑張れではないアプローチ)


まずタイトルからしていいですよね。
頑張れではないアプローチ!

こちらの記事は、特別支援学級の教員をされている方が執筆しています。

今回の食指導に関して、冒頭にこう語られています。

私がまだ生意気な20代だったころ、多く
の食指導が「頑張って食べたら、食べられるようになるよ」
だとか、
「少しずつ食べられるようになるから、様子を見ましょう」
のような精神論に支えられているような気がして、”本当にそれで良いのだろか?”という想いがありました。
参考記事より

本当に食に対する支援って子供や親の『努力』が前提とされているものが非常に多い。

子供はみんな食べるのが好きなハズ
食べないのは好き嫌いのせいだ

という考えの方もいます。

そんな中、筆者は子供の苦手を分析する観点を持ったそう。

特別支援級の先生ならではの視点だなぁだと思いました。

特別支援学校の教員をしていたお友達も、その子の得意や苦手を分析してその子それぞれの特性に合わせた関わりをしていたと言っていました。


「食事の時に嘔吐してしまう」という子に対して分析した結果、「歯ごたえのある食材で嘔吐してしまう」ということに注目。

口腔機能の視点と摂食嚥下リハビリテーションの文献に辿り、トレーニング計画を立てたとのこと。

・顔全体の過敏性を取り除く
・臼歯側へ食材を運ぶための舌の動きの向上

という2点は学校でもできる活動が多いということで、保護者の同意を得ながら行いました。
脱感作療法は、本人も次第にリラックスができるようになるようで、自分から”やってくれ”と言うほど好きなトレーニングになったようです。
参考記事より

もはやセラピスト。
すごい。


ここで出てきた脱感作療法というのは、感覚過敏のある方に対して、過敏性の除去を行う方法です。

感覚は人によってそれぞれ。
特におくち周りは皮膚も薄く、粘膜は敏感な場所です。

そのため、刺激に対して人よりも不快さを強く感じてしまい、口周りだけでなく全身の緊張が高まってしまうという子がいます。

これは子供だけでなく、成人でも起こり得ます。

「刺激に対して徐々にゆっくりゆっくり慣らしていき、過敏をとる」というセラピストはよく行っている手技です。


個人情報保護のためトレーニングの詳細は省略されていますが、舌の動きの向上トレーニングも合わせて行った結果、その子は食事で嘔吐することがほとんどなくなったそう。

口腔内の環境が整っていないことで、嘔吐を繰り返し、食べること自体に対して苦手意識が高まってしまったようです。
食育について、”頑張って”の精神論だけではなく、エビデンスに基づいた指導を行うことが必要なケースもあることが考えられます。
参考記事より


“嘔吐”というのは生態的な拒否反応。

裏に何が隠されているのかに注目して、しっかりお子さんと向き合った対応が素晴らしいなと思いました。


食事に対する支援では、さまざまな視点からの考えが必要です。

生活リズム、栄養、身体・口腔・嚥下・機能、消化機能機能、呼吸機能、嗜好、興味…などなど挙げるとどんどん出てきます。


それぞれのプロフェッショナルが様々な観点からその人、子に合わせた関わりができるのが望ましいですが、全員の専門職が一気に関わるのは難しい現状があります。


この筆者のような、教育や療育に携わる方々の試行錯誤の賜物によって支えられているのだと思いました。


言語聴覚士も、もっと教育や療育の現場に関わり、連携を図れたらさらによい循環となるのになぁ。


とても学びのある記事でした。

ご紹介させて頂き、ありがとうございました!

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