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2021とくほう・特報 「スーパーシティ」政府の動き加速 都市を新たな収益の場に〜すべてがNになる〜

 【追記あり】

日本政府が推し進める「スーパーシティー構想」が加速している大阪のスーパシティ誘致運動には少なくとも竹中平蔵氏が絡んでいる。大門実紀史氏の国会質疑で国会質疑で明らかとなっている。

そんなところ新聞にスーパシティー法案に関する特集記事が出ていたのでネタにさせてもらう。

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2021年7月8日【3面】

行政の仕事 丸ごと企業任せ  政府が「まるごと未来都市」と称して進めているスーパーシティの実現に向けた動きが加速しています。見えてきたのは、住民の健康やくらしを守るルールや意思より企業の利益を優先する「まるごと規制緩和・民営化都市」となる危険性です。(土屋知紀) 現在31自治体応募  スーパーシティは、国家戦略特区による規制緩和と、IOT(モノのインターネット)やAI(人工知能)を活用して地域のビッグデータを解析する先端技術と一体で、健康や教育、食や物流、環境など幅広い分野で民間企業が事業展開したまちをつくるものです。  昨年5月に根拠法(改定国家戦略特区法)が成立。指定された特区では一括して規制緩和が行われます。特区指定は、12月に公募を始め、今年4月16日の締め切りまでに31自治体(共同提案は1とカウント)が応募。今後、国家戦略特区諮問会議(議長は首相)をふまえ、夏までに5地域程度を指定。2回目の公募を秋以降に行うとしています。スーパーシティに応募する自治体は参加企業から構想の提案を受け、国に提案書を出します。 

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自治体からの提案内容にはこんな事例があります。 

トイレ内まで管理

  例えば沖縄県石垣市のスーパーシティは、新たな都市開発で新たな住民を集める「グリーンフィールド型」。約53万坪の石垣空港周辺開発と約20万坪の石垣港整備の一体開発で超高級のリゾートホテルや、中高一貫のインターナショナルスクール、定住住宅など24の構想を挙げています。  同市の構想のうち健康スマートタウン構想は、「健康トイレ」と「健康テレビ」(テレ・ドクター)で未病対策(健康と病気の間の状態)に役立てるとしています。  住民がトイレを利用するたびに温水洗浄型便器で体重や体温、心電図測定や尿検査を実施。結果はインターネットを通じ瞬時に民間企業が管理する「データ連携基盤」に送信され、医師が遠隔診療するというものです。トイレの検測結果は健康テレビで表示できます。この地区の住民が住宅へ健康トイレと健康テレビの常設、マイナンバーカードの保持、この実証実験に協力することが条件です。同市の資料には、トイレとテレビに「パナソニック」と書かれています。  また、長野県松本市が提案しているのは、既にあるまちを再開発、インフラ整備を行う「ブラウンフィールド型」の提案です。住民がウェアラブル端末(血圧、心拍計、体温などの生体情報を測る機器)を装着するとデータが「データ連携基盤」に自動共有され、サービス提供企業がAIで分析。異常値なら本人に検診の指示を出します。医師は遠隔医療で既往症や服薬情報、生体情報を得られます。支払いは全てオンライン。  そのために、医療法・医師法・薬機法などの規制を緩和します。健康情報の保存年限をなくし、出生から終末期まで生涯の健康情報を利活用するとしています。

個人情報を利活用 

  両市の構想の問題点について、奈良女子大学の中山徹教授は語ります。  「健康や地域医療など行政の仕事を丸ごと企業に任せる究極の民営化と言えます。これらは公共サービスでないため、対価を払えない住民は排除される可能性があります。また、1回流出した個人情報は消すことはできません」  目的は何か。中山氏は「政府は財界の要求に応えてビッグデータや情報技術を組み合わせた個人情報を基に、都市を新たな収益の場に変えようとしているのです」と述べ、次のように指摘します。  「スーパーシティは特定の自治体で実験的に行われますが、同法には元に戻す仕組みがなく、今後、新たなビジネスモデルとして全国に普及させる予定です。この仕組みを海外にも輸出しようとしています」  いま進められようとしている「自治体のデジタル化(自治体DX、デジタルトランスフォーメーション)」は行政のもつデータを全国的に活用できる素地をつくるものです。スーパーシティは、自治体DXのうち規制緩和が不可欠なものについて「国家戦略特区」として具体化するものです。  スーパーシティは、大量の個人情報を特定の企業が管理・利活用し住民生活に深く関わるものですが、ほとんど知られていません。 

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内閣府資料より

  中山さんは「健康や教育は極めて重要なもので、まちづくりは行政が住民とともに計画を立て運営するべきです。いま、行政責任と公共性が問われています」と強調します。 ### **「嫌なら出ていけ」**  昨年7月の内閣府主催のシンポジウムで配られた自治体むけ資料「スーパーシティに関する重要な留意事項について(案)」には、住民投票で同意が得られたサービスは「住民全員の利用が原則  「スマートフォンは使いたくないとか個人情報を企業に吸い上げられたくないなど、スーパーシティに不参加を表明する人の権利は保障されず、嫌なら出ていけということです。恐るべきことです」。アジア太平洋資料センター共同代表の内田聖子さんはこう指摘します。  このシンポジウムでスーパーシティに関する政府有識者懇談会の座長を務めてきた竹中平蔵パソナ会長は、「大胆な規制改革(緩和)」を推し進めるための首長や企業による「強いリーダーシップ」の必要性を強調。さらに有識者委員の坂村健氏は行政手続きは「デジタルでないとダメだ」と、紙の全廃を主張しています。  内田さんは「これくらいやらないと真のデジタル化はできないというのです。行政サービスの平等性や住民合意を踏みにじるものです」と指摘します。その上で「デジタル技術を進めるのであれば、企業に個人情報を勝手に使わせない規制が必要です。そのためには、住民が主体的に関わる政治の実現が重要です」と話しました。 

 御用学者の竹中平蔵氏の関与する分かりやすい相関図がネットにあげられていたので追記する。

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 以上  

 ふと、この記事を読んで気付いたのだが、どうも状況的には伊藤計劃著「虐殺器官」が今現在起こっているパンデミックと計劃氏の小説で描かれた続編「ハーモニー」の厄災「ザ・メイルシュトロム」が被って見えて仕方がない。


 この「虐殺器官」と「ハーモニー」は一見して繋がっていないように見えるが繋がっている、虐殺器官という作品世界で大勢の犠牲者が出る厄災があってその教訓から生きることが正しいという管理社会を描いた作品だ。  ハーモニーの世界では人々は体内にナノマシンを入れ常に健康状態を監視されていて糖分が多い食事を続けていたりとか、塩分が多い食事を続けていると、このままでは寿命が縮むと警告してくれるのである。  そういう健康強制社会に反乱を企てて自殺をしようと友達同士で話し合うところからストーリーがはじまる。  しかし主人公は自殺に失敗して生き残ってしまう。  「ハーモニー」この作品も映画化されるようなので活字が苦手だという人にはお勧めしたい。


評価はあまり高くはないようだ。 時間ができたら見てみようかな。 

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