移りゆく旬

この夏、今年のは大当たり！と
感じた野菜は枝豆だ。

どこのお店で買っても
味がしっかりとしていて
歯応えもよく
全くはずれがない。

スーパーへの買い出しと
食材の宅配での購入と
それぞれ週に一回ずつ買っていたため
我が家では週二で枝豆が
食卓に上がっていた。

おいしくておいして
私はもりもりと食べる。
はじめの頃は
家族だれもが喜んでいたのだが
次第に私だけが食べるようになってきた。

——もしや、飽きた？

こんなにおいしいのに。
私はめげもせず買い続け
茹で続け、食べ続けた。
今も冷蔵庫に１袋食べられるのを
待っている枝豆がいるから
明日にでもまた茹でようと考えている。

しかしそろそろ
味が落ち始めてきた感じもしている。
出回り始めた初期の時から
ずっとおいしかったから
随分と楽しむことができた。

残暑の今
少しずつ旬の終わりを感じながら
やがてセミの種類が移り変わり
雲の様子も変わり始めて
季節が流れていく。

こうしたしみじみとした日々は
非常に味わい深い。