点と点を繋げて美しい『弧』を描こう
突然ですが、書道パフォーマンスって知っていますか?
4×6mもある巨大な和紙のキャンパスに20kg近い筆を使って、ポップな音楽と共にダンスも交えて、リズミカルに書道をする、あれです(笑)
私は中学3年生の時、『書道ガールズ』という映画を見て「書道パフォーマンスをしたい!」と思って、書道未経験ながらも書道部に入部しました。
墨で手足を真っ黒にしながら、毎日練習に明け暮れていた私の青春。
長年書道をされていた方からしたら、私なんて箸にも棒にもかかりませんが、この前ノルウェーで、プチ書道パフォーマンスをさせていただきました。
『書道パフォーマンス4ケ条』
私の通ってた中高一貫校では書道部はあったものの、書道パフォーマンスは初の試み。書道未経験者(私含め数人)もいる中、顧問の先生、書道部員7人全員で0からパフォーマンスに向け特訓しました。
他校のパフォーマンスを直接見に行ったり、Youtubeで研究したり。
実際に行った書道パフォーマンス↓
1年間試行錯誤しながら、作り上げた書道パフォーマンスの極意を、ブログを読んでくる人だけにこっそり伝授します(笑)
ー書道パフォーマンス4ケ条(自作)ー
①まずは音楽なしで、何度も字を書いて頭と指先にインプットする
書は全体のバランスが大事。それぞれ漢字のパーツの配置、大きさ、字の強弱には意味があるため、それらを全部叩き込むのは意外と時間を要する。イメージトレーニングしてから書くのがおすすめ。
②スランプに陥っても、ひたすら練習する
練習を重ねれば、いつかどこかでスランプに陥る。
例)何度も書いてやっと完璧に書けたと思ったのに、途中墨不足で字がかすれてしまった、、
↑こういうことは、よくあること。ついつい書き足したくなるけれど、本番みんなが見てる前で書き足すことなんてできない。間違えたところは徹底的に練習し潰していくことが、本番で成功する鍵
③「音」と「書」のタイミングをつかむ
音に合わせて、筆を動かす。一見簡単そうに見えて、これが難しい。単調なパフォーマンスは感動を与えないから、音楽が盛り上がるところで、大きく筆を動かし、想いを込めよう。
そして何度も練習を重ねて、脳と体に、「音」と「書」のタイミングをインプットする
④ダイナミックさを表現する
最後の極意は、20キロほどの大きな筆を使う場合特に肝に銘じていただきたいのが、書道パフォーマンスは”スポーツ”だ。練習してすぐに20キロの筆ですらすら書けるわけはなく、腕の筋肉を十分に使って書くことが必要。ちなみに私が実際書道パフォーマンスをした時、大筆を担当した子は毎日腕立て伏せをしていた。日々の身体づくりを欠かさずに。
①~④ができるようになれば、これであなたも一人前の書道パフォーマーだ♪
10年ほど前の記憶を辿りながら、明日のパフォーマンスに向け練習していると、いつの間にか夜が明けていた、、
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パフォーマンス当日
舞台は、ノルウェーで15歳(キリスト教徒で大人の仲間入りとされる)になった子を祝うカンファメーションというイベント。
コロナを考慮して通常5,60人で行うこのイベントも人数を縮小し、参加者は30人弱。
イベントでは家族が15歳の子のために演奏したり、踊ったり、歌を歌ったりしていた。
そしてあっという間に私の番に。
今回私は、今日の主役ノーリンの名前を漢字で書く。ちなみに選んだ当て字は『望凛』。
最初に私の彼氏が、書道の歴史や書道パフォーマンスの概要についてノルウェー語で説明。
そして、いよいよパフォーマンスがスタート。
~久石譲のOne Summer Dayが流れる~
筆を整え、真っ白のキャンパスへ力強く書き始めた時、異変に気づいた。
手が震えている。
これは全く予想していなかった出来事だった。
あれだけ前日に体に叩き込んだし、簡単なパフォーマンスなのに、、
と、一瞬で頭に「?」が100個くらいよぎったものの、そんなことを考えている暇などない。
この書に全神経を集中するのだ。
私は呼吸を整えた。
そして予想していたタイミングより少し遅れをとりながらも、頭にインプットした次の音楽の山場を思い出し、ゆっくり、でも力強く筆を進めていく。
書きながら「うん、悪くない。」と思った。
しかし書き終えた文字を見ると、突然のハプニングにすっかり墨の量を調整するのを忘れて滲んでしまっていた。
やっちゃた~と思いながらも書からゆっくりと目を離すと、周りから聞こえてくる盛大な拍手と歓声。そしてみんな笑顔で喜んでくれていた。
国を超えても想いは通じるんだ
実際はたった1分のパフォーマンスだったが、その1分に私が過去に積み重ねてきた書道パフォーマンスの歴史が詰まっていた。
完璧なパフォーマンスかどうかは関係ない。
私の歴史は変わらないのだから。
書道にかけた私の青春と今この瞬間が、点と点で繋がった気がした。
あの時は今やっていることが何になるかなんてわからなかった。
ただやってて楽しかった。だから夢中になって全力で続けた。
そうやって楽しいことを続けてるといつか役に立つんだ、そう実感した。
そして、一つ山を超えたら、欲張りな私は次はもっと大きい山に登りたくなってしまう
(提案)誰か一緒にオスロ書道ガールズやりませんか?♪
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自分が熱中することを続けることがテーマの曲
最後まで読んでくださりありがとうございました!!
今回は私の青春が詰まったMr.Childrenの「箒星(ほうきぼし)」を紹介します。
当時ミスチルにハマってた私は、パフォーマンスの選曲中
この曲とたまたま出会い、ビビッと来ました。
そしてメンバーに相談しパフォーマンスで楽曲を使用♪
好きなサビパート↓↓
目を瞑っても消えない光
夜空に託した祈り
今日もどこかで光ってる
誰の目にも触れない場所で
悪いとこばっかり見付けないで
僕ら一緒に探そう
ずっと 優しく淡く弧を描いて
夜を撫でてく「箒星」
光り続ける「箒星」
ちなみに箒星とは彗星の別名。氷や塵などによってできた天体で太陽に近づくと塵が光に反射し、尾が形成されます。その姿が箒に似ていることから、『箒星』と呼ばれるようになったそうです。
普段は肉眼で見ることはできませんが、10年に数個だけ見ることができるそうです。
歌詞にある、「今日もどこかで光ってる 誰の目にも触れない場所で」は箒星の特徴と私たちの日常を重ね合わせてます。
今自分が打ち込んでいることが、周りに受け入れてもらえなくても、「何の意味になるの?」と聞かれても、それを続けることが大事だと思います。
だって、初めから意味なんてわかりません。
だから意味を問う必要はありません。
いつか自分がそれを点と点でつなげて、意味を見出せるようになるから。
日本も少しずつ秋らしくなってきたみたいですね。
風邪をひかないように夜は暖かくして過ごしてください。
ではHa det bra~
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