自律的なデザイン組織を創り出すまでのストーリー
私がデザイン組織で成し遂げたかったこと
人にはそれぞれ潜在的な能力があります、それが十分に発揮できていないのであればそれはマネジメントや組織の仕組みの問題であると考えています。
また、私のビジョンとして「共創×アジャイル」で自律的にすばやく新しい価値を生み出す組織作り出すことを目指していました。
コラボレーティブなデザインの必要性が高まるなかで、これが実現できているデザイン組織はまだまだ少ないのではないでしょうか?
自分では思いもよらないイノベーティブな成長をする、個人の想像を越えていく、そんなチームを作れないだろうか?
そのビジョンに向けて、それぞれのメンバーが最大限に潜在能力を発揮できるエコシステムをデザインできないか?というのが私の挑戦でした。
出発点としての「心理的安全」
優れたチームの条件として近年あげられるのが心理的安全です、
結果からお話すると、心理的安全がチームのパフォーマンスに影響を与えることは間違いありませんでした。
心理的安全はメンバーの挑戦へのハードルを圧倒的に下げてくれました。
弊社の勉強会はほぼ全てがボトムアップによって行われています、また新しいことへの挑戦を容易にすることは、素早い成長とイコールでした。
また心理的安全は職種間の「共創」をも促進しました。
デザイナーが自分のアイデアを積極的に提案することは、職種の壁を越境することにつながりました。
共創し成長するチームは、良いプロダクトを作り出すためには欠かせない要素です。
高い自律性がアジャイルなチームを作る
デザイン組織を設計するなら、必ずボトムアップ型の組織にしたいと考えていました。
サービスデザインという業務は非常に多岐かつ不確実性の高い業務です、これらを高いレベルで実現するにはそれぞれのメンバーがその場で瞬間的に質の高い意思決定をする必要があります。
一つひとつを上長に確認をとっているようなスピード感では、アジャイルなチームをスケールさせることはできません。
アジャイルなチームはボトムアップで日々施策を考え、実施し、分析・改善を繰り返さなければいけないからです。
心理的安全の中で自ら挑戦し学ぶことを覚えたメンバーは、独立したチームの中でも自らの意思で意思決定をすることができました。
自己組織化されたメンバー
自己組織化とは「ある問題が与えられた時、どのようにその問題を解決するかをその人自身が決められる」ことです。
自己をマネジメントするためには、一つ上の視点から自己を見つめ分析するメタ視点が必要不可欠です。
そのためにはメンバーに「マネジメントそのものを学んでもらうこと」が効果的でした。
自己を客観視し、自己をシステムに当てはめて最適化できる能力こそが自己組織化された個人を作り上げました。
組織をマネジメントする方法を学ぶこと自体が自己を高める自己マネジメント能力の基礎となり、結果的にチームを推進させる原動力となりました。
「デザイナー」の壁を超えて
十分に自律的で自己組織化されたデザイナーはやすやすと既存の「デザイナー」の壁を超えて行きました。
デザインの本質は「問いを作る」力だと思っています、正しい状況把握から正しい「問い」を作れるメンバーは、解決策を狭義のデザインに閉じる必要はありませんでした。
「問い」が正しければ解決策はどんなものでもいい!ということに気づいたのです。
それぞれ正しい問いを見つけたメンバーは、狭義のデザインではない、「本質のデザイン」を行なって自らの壁を壊して行きました。
これはもはや「デザイン組織」を超えた存在でした。
デザインや組織を超えて、自己組織化されたメンバーがそれぞれの判断で正しいと信じるソリューションの提供を行なっていきました。
マネージャーが不要になるまでのマネジメント
自律性の高く自己組織化されたチームはマネージャーを必要としません。
ただしそれを生み出すまでのマネジメントは必要だったと思っています。
いま、このデザイン組織のメンバーは自分の想像を越えて、
・自分で課題定義
・自分で学習
・自分で成長
していく、そんな組織になりました。
「マネージャーが不要になるまでのマネジメントをする」ことが、強い組織を生み出す秘訣だったと思います。
(PS : 今回の記事はそんなメンバーを自慢したくて書きました!私は今想像を超えたこのデザイン組織の未来が楽しみで仕方がないです。)
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