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アメリカ型とヨーロッパ型のUXデザインの思考の違い

デザイナーの飲み会で話した雑談をメモしてます(*´ω`*)

アメリカ型とヨーロッパ型のUX-DESIGNの違い

同期の尊敬するデザイナーがこんな話をしていて、すごく面白かったというお話です。

アメリカ型:競合より優位に立って市場競争に勝つためのデザイン
ヨーロッパ型:所属する共同体を少しづつ良くするためのデザイン

ヨーロッパの国々はそれぞれの規模が小さく、国単体の人口が少なく市場も狭いため「国内の市場で日銭を稼ぐ」というビジネスが成立しにくく。
故に「国(身近な社会)」を発展・継続させるために、今いる社会そのものを良くするにはどうしたらいいか?という思考を中心にデザインを行うことが多いそうです。

逆にアメリカ型のデザインは、厳しい市場原理の中で一歩二歩前に出て、競合優位性を確立し、会社単体の規模拡大を目指す傾向にあるとのこと。

そういったビジネスの構造は、UXデザインの「解決するべき課題」の選定に如実にあらわれているようで、
アメリカ型のUXデザインは市場のユーザーに新しい価値・消費を喚起させるような、0→1のイノベーティブな商品・サービスの開発を得意とし。

逆にヨーロッパ型のデザインは、少ない人口でも生産性を上げるための自動化やコスト削減など、今ある社会の仕組みを一歩先にすすめる、1→10の「身近な課題の解決」を旨とし、国や企業が一丸となって取り組む事例が多いとのことです。

これはデザインに関する文化の違いにも起因していそうで、アメリカ型が開拓精神の一部として現代的なビジネスの一環としてのデザイン思考が進化してきたのに対し、
ヨーロッパ型は古くからデザインの文化が成熟しており、遡ると産業革命など日々の暮らしを良くするための思考の延長で発展してきた、という違いもありそうです。

会社成長と社会貢献について思うこと

日本ではもちろんのことアメリカ型のUXデザインの思考が主流で、どうしてもビジネスと密接に結びつきがちです。

自分もビジネス型のデザイナーとして長年を過ごしていますし、営利組織の一員としてのビジネス思考は否定するつもりはありません。

ただ自身のUXデザイナーとしてのあり方を考えた時、
UXデザインは人の行動を設計する所作なので、悪い言い方をすると「麻薬」を作ってしまうことも出来ると思っています。

例えば、ハマる仕掛けに溢れたソーシャルゲームは時に「中毒」といえるような体験のループにユーザーを落とし込んでしまうことだってあります
これは出会い系サイト、転職サイト、ECサイトどれにも言えることです(これら全部デザインに関わった経験があります…)

さらには、日本企業はイノベーションも苦手だったりすることも多く、0→1のアメリカ型と言うよりは、「売上KPI至上主義」的な現場になりがちなので、
そういった現場でのUXデザインの仕事が「中毒の手前でユーザーを生かさず殺さず制御しつつ、有限な市場から奪い合って搾り取る」といったスキルになってしまうと不幸だな、と感じています。

せっかくなら、既存の市場の奪い合いではなく、市場そのものの発展のためにそのスキルを使いたい、、、!

僕らの情報のインプットはどうしてもアメリカ型に偏りがちですが、今こそ逆の社会貢献的なヨーロッパ型のデザインの考え方に学ぶということが必要かもしれません。

だから、今こそUXデザイナーがビジョンを語りたい

UXデザイナーとしてのリサーチ能力や分析能力はもちろん必要ですが、
「何を成し遂げたいのか?」という熱いビジョンの元に体験をデザインをすることを忘れたらいけないなと感じました。

※あんまり調べ物もせず、居酒屋の会話から思い立ったことを書き連ねています。実際に詳しい方いたら、是非お話を聞かせてくださいm(_ _)m

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