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今宵のアマプラ

心を亡くすと書いて「忙しい」などとよく言いますが、このnoteに書くようなことを常日頃考えている心なら、忙殺してもらった方がいいのかもしれません。

まあつまり、忙しかったんです。

とはいえ、気分転換も必要なもので、今日の夜は久々に面白そうなドラマでも探そうかとAmazon Prime videoを開きました。

一番上に真っ先に出てきたのが又吉直樹原作の『劇場』。映画館の公開と同時に配信もスタートしたということは知っていて、気になっていた作品だったので早速観始めました。

しかし観始めて30分、ふとAirpodsの電池が心配になり、iPhoneのスピーカーに切り替えようとイヤホンを外した時に、僕は観るのを止めました。

今の自分がこれ以上観たら悲しくなるだけだと思ったからです。

元々原作も読んでいますが、この作品は、僕は好きだけどこれを好きな自分って大丈夫かなという感想を抱くくらい、陰鬱とした自意識と恋愛の話です。映画も原作に忠実で、主人公の、自意識のせいでなにもうまくいかない感じがこれは続くぞと思ったので、また元気な時に観ることにしました。

『人間』もそうでしたが、主人公をあそこまで露悪的に自意識過剰に描くことができる又吉さんが僕はすごいと思います。太宰が一番好きと公言し、肥大した自意識とそれを表現することに取り憑かれた男を主人公にし続ける又吉さんですが、それはタレントとして得なことが一つもない道なのではないかと思ったりもします。あれだけの表現を小説でしながらメディアに出ることをどう両立しているのか、心のバランスはどうなっているのだと思うと震撼します(誠に勝手ながら)。逆に小説を書くことでバランスを取っているのか、いや、そんなレベルではないような…。

逆に、僕は又吉さんが書くからこそ『劇場』や『人間』が好きなのかもしれません。他の作家さんが書いていたら、ここまですんなりと自分に入ってきただろうかと思うと疑問です。これは又吉さんを褒めたことにならないのかもしれませんが。とにかく、又吉さんを僕は本当にすごいと思うし、これからも物語を書かれる限り読んでいくでしょう。


違う。今日は『モダン・ラブ』が面白かったことを書きたかったんです。もう1000字近く書いてる…。

少し前に話題になっていた『モダン・ラブ』。一話完結で30分ほど、とにかくいい話、という前情報は持っていたので、『劇場』を断念した僕は気軽な気持ちでまず第一話を観ました。

号泣。島田秀平。手相。

観るとちゃんと心が動かされ、明日も頑張ろうと思えるという意味で、本当に素晴らしかったです。自意識過剰破滅型と正反対の作品。アメリカだわ〜。

多様な愛の形を描いているということで、少なからず残りも”いい話”ってことは間違いなさそう。

疲れた時、明日への気力が欲しい時、僕はこれから『モダン・ラブ』を観ます。あと7つも観てないのがあると考えるとそれだけで頑張れそうです。

泣き疲れたし書き疲れたのでここで失礼します。

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