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「おいしいものは、脂肪と糖でできている」は、おおむね正しい気がします

「おいしいものは、脂肪と糖でできている」
という飲み物のCM。

あなたも見聞きしたことはあるかと思います。

このあまりにもキャッチーなコピーを耳にしたとき、私は思いました。

「これは真理だ!このコピー考えた人、すごい!」

そう宣伝して、私のように考えた人々が当該商品を購入する。という図式ですね。

きっと当該商品は、ダイエッターたち、または「最近体重が…」と思っている人々の胸の奥に深く深くインプットされ、きっと売り上げも相当に上がったことでしょうね。

残念ですが私はその飲み物が苦手だったため、購入には至らなかったわけなんですが。

今回は、そのコピーの中身であるところの
「おいしいものは脂肪と糖でできている」
に焦点を当てていきたいと思います。

脂肪と糖が入った食べ物がおいしいわけ


さて、あなたは「おいしいもの」はどんなものか聞かれたとき、どんな食べ物を想像するでしょうか?

甘いケーキをカフェラテでいただくのもいいですね。

もしかしたら冷たいアイスクリーム?

食事で考えたら、ハンバーガーやパスタ、ピザを挙げる人もいるかも知れませんね。

私もこれらの食べ物は大好きですし、たまに食べます。おいしいです。

脂肪も糖もたっぷりです。もう、至福と言ってもいいくらいです。

でも、体にはあまりいい気がしません。太りそうです。ヘルシーの対極にある食べ物のような気がします。

そこで、一旦足を止めて考えてみませんか?

「なぜ」脂肪と糖の入った食べ物は美味しいのか、ということについて。

そもそも食べ物はそれぞれに5つの味があるとされています。
甘味・塩味・苦味・酸味・うま味
の5つです。

その中でも人が特に求める味が「甘味」「うま味」「塩味」の3種類で、栄養素的には
甘味…糖(炭水化物)
うま味…脂肪(脂質)
塩味…ミネラル
ということになります。

なぜ、この3種類の栄養素を求めるかというと、糖は体に入ってすぐにエネルギーとして働く役割、脂肪は体を作るアミノ酸の素になります(人間をかたち作るすべての細胞膜は脂肪でできています)。

塩味のミネラルは体の水分調整をするなど、体内のバランスを取ることに必要です。

そのような理由から、人はこれらの栄養素を求めるのです。

そのような栄養素を求めることは分かった。

では、どうしてそれらの栄養を含んだ食べ物が「おいしい」と感じるかについてを知りたい、という方もいらっしゃるでしょう。

次は、脂肪と糖が合わさると、どうしておいしいと思うかについて述べていきたいと思います。

太古、人類は食べ物に困っていました


現在の、1日3食の恵まれた食生活ができるようになったのは、人類の歴史から見ると、ほんのわずかな時間です。

稲作農業が始まる前の生活はどうだったかというと、狩猟生活をして人々は暮らしていました。

狩猟生活ということは、主に動物を狩って捌いて食べていくわけです。

私たち動物は何でできているかというと、主に筋肉や脂肪、骨格から成り立っています。

つまり、私たちの祖先は主に動物の筋肉を主食としていました。

主にタンパク質を食べていたということになりますね。

しかも、そのタンパク質も、毎食安定して食べられていたわけではありません。

食べられないことも多々あったわけです。

それが、糖を摂取するとなるともっと大変です。

当時の主な糖質は、果物から摂られていたと考えられますが、果物も旬があり、やはり安定して食べられるものではありませんでした。

めったに食べられるものではなかった糖は、栄養として最優先で使えるようにと、人類進化の過程で人体にそのようにメカニズムとして組み込まれているようになりました。

そして、その働きが長く続くように、エネルギーとして使われなくなった糖は、中性脂肪に変換して体に溜めこんでおけるようにと、体の仕組みができあがっていきました。

しかも糖が毒ではない、とわかりやすいように、糖の入ったものは「甘い」と感じるように脳が進化し、甘いものはおいしい、と本能で感じるようになったのです。

一方、脂肪の方ですが、こちらも(特に動物の脂肪は)火を通すと甘味を感じます。

そのため、やはりおいしいものと認識されるようになりました。

その後稲作をし、定住生活が始まると、米や小麦も食べると甘いものですので、おいしものだと認識され、どんどん栽培されていくようになります。

それに加え、狩ってきた動物も食べるのですから、それらを組み合わせて食べることは「おいしい」と思うように脳にインプットされました。

しかし人間の体は、そう簡単に今までの体のつくりを変えることができません。

甘い、おいしい、その働きを長い時間保っておきたい、という体を飢餓から守るために進化した脂肪をため込むシステムに、現在に至るまで人間の体のしくみになっているのです。

この飽食の時代に、飢餓に備えて人間の体が動いてしまうのは本能とはいえ抗うことは大変です。

ですが、おいしいものは脂肪と糖でできているのを肝に銘じて、食生活に気を付けてダイエットに励んでいきたいものですね。

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