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「マスクの効果は証明されていない」は誤り

[2024/2/2更新]
「マスクの効果は証明されていない」は誤り。カナダの大学が172件2.6万人のメタ解析で感染リスク85%低減を証明。これはWHOが方針転換の根拠とした論文の一つ。バングラデシュでの34.2万人のRCTは発症10%減を報告。CDCの月次レポートも効果ありと報告。Cochrane論文がマスク有効性が否定したという人がいるが、Cochraneが「誤解を招く解釈」と謝罪記事を出している。

◾️LANCET (2020/6/27)
カナダMcMaster大学のメタアナリシス研究
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7263814/

◾️WHOマスク方針転換の通知 (2020/6/5)
※カナダMcMaster大の論文が参考文献42に記載https://reliefweb.int/sites/reliefweb.int/files/resources/Advice%20on%20the%20use%20of%20masks%20in%20the%20context%20of%20COVID-19.pdf

◾️WHOマスク方針転換の報道(2020/6/6)
https://www.asahi.com/sp/articles/ASN663J3HN66UHBI005.html?ref=amp_login&_gl=1*1urcksv*_ga*YW1wLXY5RXB0bXVPZEdsdGtPX0gwNHhMUUhObS1iMDAtb2VRRFZfY2Q4SHlCTkZramYyS2Rhd3RiSklXbS1zbm1uSF

◼️PMC (2020/12/19)
検索5,178件のうち4カ国を含む合計6件の系統的レビューとメタ解析。マスクの着用がCOVID-19感染リスクを低下させる可能性があるという結論を支持。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7748970/

◼️PMC (2021/1/2)
計7688人参加した4論文をメタ解析し、マスクの使用とCOVID-19の減少との間に関連があることを示唆。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7776300/

◾️JAMA (2021/2/10)
吐出飛沫粒子を50〜70%遮断。マスク着用で感染陽性リスク70%減少。
https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2776536

◾️NIH (2021/2/12)
マスクによる湿度上昇が気道に水分を補給することで重症度を低下させる。
https://www.nih.gov/news-events/news-releases/researchers-propose-humidity-masks-may-lessen-severity-covid-19

◾️Journal of Health Economics(2021/6/3)
カナダのマスク着用義務化によりCOVID-19の総患者数を5万人以上減少。
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0167629621000606

◾️ipa (2021/9/1) Science (2021/12/2)
バングラデシュでのRCT実験
(国際研究チーム: IPA, Yale大学, Stanford大学)
https://www.science.org/doi/10.1126/science.abi9069

◾️CDC Weekly Report (2021/9/10)
マスクをしていた場合と比較して、マスクをしていなかった場合の近接接触者は、検査結果が陽性となる確率が高かった。曝露回数が増えるごとに、陽性反応の確率は40%増加した。
https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/70/wr/mm7036a3.htm?s_cid=mm7036a3_e

◾️CDC Weekly Report (2021/10/1)
マスク非義務校でのCOVID-19アウトブレイクは、マスク義務校の3.5倍高かった。
https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/70/wr/mm7039e1.htm?s_cid=mm7039e1_w

◾️CDC Weekly Report (2021/10/1)
2021-22学年度開始時の小児の感染率の増加は、マスク義務化の郡はマスク非義務化より小さかった。
https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/70/wr/mm7039e3.htm?s_cid=mm7039e3_w#F1_down

◾️Science (2021/10/22)
公共交通機関での移動におけるマスク着用義務化は2mの社会的距離の維持と同等の効果を示す。
https://www.science.org/doi/10.1126/sciadv.abg3691?utm_campaign=SciMag&utm_source=Social&utm_medium=Twitter

◾️Nature (2022/2/1)
このシステミックレビューはマスクが地域環境における呼吸器感染症を減少させる可能性を示唆している。マスクの使用を奨励すべきである。
https://www.nature.com/articles/s41398-022-01814-3

◾️ CDC Weekly Report (2022/2/11)
マスク装着は検査結果が陽性になる確率の低下と関連している。
https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/71/wr/mm7106e1.htm

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◾️PMC (2022/2/26)
インフルエンザやコロナウイルス感染症(SARS、MERS、COVID-19)に対する医療用マスクやサージカルマスクの使用を支持するエビデンスは弱かった。われわれの研究では、フェイスマスクの使用は一般的に呼吸器ウイルス感染症に対する予防効果があることが確認された。https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC9111143/

◾️CDC Weekly Report (2022/3/11)
米アーカンソー州の学校での実験。マスク義務校は非義務校と比較して職員と生徒の感染者発生率が23%低かった。
https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/71/wr/mm7110e1.htm

◾️frontiers (2022/4/27)
マスク着用と呼吸器系ウイルス感染症との関連性(RCTを含むメタアナリシスとシステマティックレビュー)
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fpubh.2022.874693/full

◾️PNAS (2022/5/30)
マスク着用が感染の顕著な減少に関連。2020年の世界的なマスク着用率には、義務化以外の要因も寄与。義務化は粗く、不均質であり、我々のデータでは平均8.6%しか着用率を増加させない。
https://www.pnas.org/doi/10.1073/pnas.2119266119

◾️CCDC Weekly Report (2022/8)
オミクロンの屋外感染の証拠となる論文。マスクを着用せずに公園をジョギングしていた男性から少なくとも 32 人のマスクを着用していない人が感染。
https://weekly.chinacdc.cn/en/article/doi/10.46234/ccdcw2022.209

◾️NEJM (2022/11/24)
ボストンでマスクの着用義務解除70の地区と着用義務非解除2地区の34万人を比較。圧倒的に解除した学校の感染者数が多かった。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221111/k10013887481000.html
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2211029

◾️PLOS(2022/12/1)
1981〜2022年までのRCTのメタアナリシス。「フェイスマスク介入は呼吸器感染症を減少させたことが示された」
https://journals.plos.org/plosone/article/file?id=10.1371/journal.pone.0271517&type=printable

◾️AJPM Focus (2023/1/14)
44の論文において、マスク着用はすべてのラグにおいて1人当たりの罹患数の減少に対応していた。https://www.ajpmfocus.org/article/S2773-0654(23)00062-7/fulltext

■第116回アドバイザリーボード資料(2023/2/8)科学的観点から屋内環境ではマスク着用を推奨https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001055263.pdf

◾️Cochrane(2023/1/30)
この論文はマスクの有効性がない根拠として引用されることがあるが、論文の結論は「効果については不確実性がある」「大規模で適切に設計されたRCTが必要」である。
https://www.cochranelibrary.com/cdsr/doi/10.1002/14651858.CD006207.pub6/full#0

◾️Cochrane編集長の声明(2023/3/10)
編集長Karla Soares-Weiser氏が同誌面で謝罪する声明を掲載。
「このレビューを見て『マスクは効果がない』ことを示していると主張する人がいるが、これは不正確で誤解を招く解釈である」「この表現は誤解を招きやすいものであったことに責任がある」「更新する目的で著者と協力している」
https://www.cochrane.org/news/statement-physical-interventions-interrupt-or-reduce-spread-respiratory-viruses-review

◾️Cochrane(2023/1/30)論文への批判
「装着率の低い実験を採用している」「9実験のうち新型コロナの実験は1つしかない」「殆どの研究でマスク装着の遵守が不十分だったと著書が言及している」「it compares apples to oranges. (異なるものを混ぜこぜにして比較している)」
takua氏(2023/2/20)のツイート
https://twitter.com/takua_scientist/status/1627516983058272256?s=20 
The Conversation (2023/2/6)の記事
https://theconversation.com/yes-masks-reduce-the-risk-of-spreading-covid-despite-a-review-saying-they-dont-198992
Guardianの記事https://www.theguardian.com/commentisfree/2023/feb/27/dont-believe-those-who-claim-science-proves-masks-dont-work

◾️The New York Times(2023/2/21)
Cochrane(2023/1/30)論文の主筆者Jefferson氏へのインタビュー記事。「集団でのマスク義務化は失敗。その原因は遵守率100%や適切な装着が不可能な為(記事翻訳)」「個人が適切に着用したマスクの有用性を否定しているものではいない(記事翻訳)」と書かれている。マスクの有効性は不明だから、反マスクを主張する人たちを頭ごなしに否定する風潮がおかしいと意見しているだけである。
因みに著者のJefferson氏は反ワクチン反マスク団体BrownStone研究所に所属する研究者。
https://www.nytimes.com/2023/02/21/opinion/do-mask-mandates-work.html

◾️The New York Times(2023/3/10)
同誌(2023/2/21)のJefferson氏へのインタビュー記事を踏まえて、改めて解説したもので、Jefferson氏に対して批判的な立場の記事。Jefferson氏に関すること以外にも、Cochrane論文、バングラデシュやデンマークのRCT等、これまでのマスク議論を総括する内容に纏められており、「マスクは、パンデミック対応における欠点に対する不満の象徴となっている」と、マスクの有用性を正しく判断すべきだと主張している。
https://www.nytimes.com/2023/03/10/opinion/masks-work-cochrane-study.html
以下の記事で自動翻訳したものを掲載していますので、ご参照ください。
The New York Times ”Here’s Why the Science Is Clear That Masks Work”
https://note.com/osamu_iga/n/n12cdb237a310

◾️筑波大(2023/2/24)
“ノーマスク”の会議で感染者「6倍増」https://www.covid19-ai.jp/ja-jp/presentation/2022_rq1_simulations_for_infection_situations/articles/article433/

◾️Iranian Journal of Microbiology (2023/4)
フェイスマスクの着用は、病院環境において呼吸器ウイルス性疾患に罹患するリスクを有意に低下。6件の研究(合計927人)のメタアナリシスから明らかなように、マスクは呼吸器ウイルス感染を阻止することにほぼ成功。https://ijm.tums.ac.ir/index.php/ijm/article/view/3995

◾️PLOS MEDICINE (2023/5/18)
マスク着用の義務化によって、エアロゾルの濃度を空気清浄機よりも低下させる効果が期待でき、感染リスクの低減につながる。
https://journals.plos.org/plosmedicine/article?id=10.1371/journal.pmed.1004226

◾️Scientific report (2023/6/6)
マスク着用が感染者数と死亡者数の両方に与える動的影響を世界規模で検証。マスク着用を宣言する人の割合を100%(2倍)増加させると、7日後に12%、14日後に13.5%、感染者を減らせる。https://www.nature.com/articles/s41598-023-34776-7

◼️PMC(2023/6/7)
必要な室内CO2濃度は、マスク無しで540ppm以下、サージカルマスクで770ppm以下、N95マスクで8200ppm以下。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10247268/

◾️Ecotoxicology And Public Health (2023/7/3)
唾液中のSARS-CoV-2の懸濁液をエアロゾル化しマスクを通して吸引した1時間後、マスクに人工皮膚を押し当てたところ、感染性のあるウイルスは検出されなかった。汚染されたマスクから感染する可能性は低い。
https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acs.est.3c01581#

◼️JAMA (2023/8/4)
マサチューセッツ州の幼小中高70校33,000人以上を対象に調査。双方マスクは非マスク時に比べ感染伝播が0.12倍に減少 (感染88%減)。
https://jamanetwork.com/journals/jama-health-forum/fullarticle/2807905

◾️Nature (2023/8/29)
中国の事例研究。ソーシャルディスタンスで38%、マスク着用で30%、濃厚接触者の追跡で28%の減少効果。
https://www.nature.com/articles/s41467-023-40940-4#Sec7

◾️Aerosol Science and Technology (2023/10/10)
粒子径に依存したマスク透過ろ過効率は、粒子径0.5~2μmで高く(80~95%)、マスクはより大きな粒子径をより多くろ過した。(中略)サージカルフェイスマスクは、すべての呼吸活動から放出される粒子数を有意に減少させた。
https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/02786826.2023.2267689?scroll=top&needAccess=true


デンマークのRCT実験については、以下の記事でも詳しく解説していますので、ご参照ください。

◾「デンマークのRCT実験がマスクの効果を否定した」は誤り
https://note.com/osamu_iga/n/n4d755360c626