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【片づけやめたら、片づいた。②】物を箱に詰めて取り出す、という整理法

全国の地方新聞に寄稿した連載「片づけやめたら、片づいた。」(全15回)を、配信元の許可を得てシェアします。

汚部屋から引っ越しを経て片づいた部屋に暮らすまで。片づけが苦手でも、発想をちょっと変えることで、快適な空間を手に入れる方法を綴っています(暮らしの変化で今とは少し異なる箇所あり)。

なるべく、毎週配信する予定(がんばれ)。

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捨てる物が決められない。段ボール整理で光明


私は料理でニンジンの切れ端が残ると、うどんの彩りにちょうどいいじゃないか!と取っておくタイプです。だから、冷凍庫にはあらゆる半端な野菜が凍っています。

腐る物は、まだいいのです。もう食べられませんよ、というサインを送ってくれるから。問題は腐らない物。取っておくかどうか、自分で決めなくてはなりません。あぁ、めんどくさい!

一般には、「いる・いらない」「使う・使わない」で判断されますが、私にはうまくできません。雑誌の企画で収納先生がマンツーマンで助言してくれても、「どちらかで悩む」物がけっこう出ます。好きな物や将来のビジョンが明確でないと、白黒つけるのはなかなか難しい…。自分のことをよく分かっていない私などは、なおさらです。

そこで、自分で決めることをやめました

代わりに始めたのが「段ボール整理」です。引っ越しで物を詰めた段ボール箱にしまったままにして、使うときに取り出せば、自分で決めなくて済むのでは?と考えたのです。これは、映画「365日のシンプルライフ」からヒントを得ました。

「365日のシンプルライフ」はフィンランドの実験映画で、日本では2014年に公開。監督・脚本・主演を務めるペトリ・ルーッカイネン(26歳男性、物好き)が持ち物すべてを倉庫に預け、「自分を幸せにするものはなんなのか」を問いかけながら、1日1個を選ぶ様子が描かれています。実験は1年間続けられ、その間物は一切買わないのがルール。倉庫に預ける前は5000~20000個を所有していた彼が選んだ365個とは何か。最後のシーンで問いかけの答えが語られ、温かい気持ちになります。

カーテンを取り出し、歯ブラシを取り出し、コーヒーカップを取り出す。「いる・いらない」「使う・使わない」で悩むことなく、目の前には「いる・使う」物が並びます。そこに、整理をしている感覚はありません

服もしかりで、「同じ物ばっか着てるなぁ、ってことは好き?」と自分のことが少しずつ分かってきました。段ボール箱に残っているということは、使っていない証拠なので、素直に手放せます。これを1年くらい続け、物の全体量が判明しました。

物は、以前の家の半分くらいに減ったでしょうか。小さな家の狭い収納にゆるゆると収まり、床が出現。部屋の奥まで差す光に、これまでにない解放感を覚えたのです。

まとめ

・腐らないものは、購入時によく吟味する
・物を箱に入れ、使用時に取り出し、使用後は収納場所へ移す
・考えない。「結果」が教えてくれる
・暮らしながら整理が進む

※収納先生……片づけサービスに従事する人。



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