🐟海ちゃん🐟

鮮魚仲買人の妻。 魚を愛し魚に惚れ込んだ夫と、魚と夫に惚れ込んだ私『海ちゃん』は、昼…

🐟海ちゃん🐟

鮮魚仲買人の妻。 魚を愛し魚に惚れ込んだ夫と、魚と夫に惚れ込んだ私『海ちゃん』は、昼間は小さな海鮮丼屋を営んでいます。 お魚と夫との楽しい生活の記録。

最近の記事

鮎釣りを教えたい父2023②

2023年7月某日、3人の弟子(夫、弟、私)はそれぞれに鮎釣りに対する気持ちを昂らせて実家の父のもとに集結した。我らは皆、父にウェアと道具を揃えてもらっていた。持ち物は鮎に対する熱き気持ち、これだけである。 だが弟子たちは気持ちが昂り過ぎて、「鮎釣りといったらコレでしょ」と竹傘をネットで買った。お揃いの渓流魚Tシャツも用意した。その姿を見て父は「お前たちはしょうもないな」と言いながら少し嬉しそうにも見えた。 川に到着し、竿の扱い方とオトリの付け方のレクチャーを受けると、す

    • 鮎釣りを教えたい父2023①

      我ら夫妻を渓流釣りにハマらせることに成功した父。 銀化ヤマメを釣り上げてからじきに父から電話があった。 「今年は鮎の友釣りに行こう、ダンナに色々揃えてやるから」 鮎釣りにはお金がかかる。以下は揃えるべきアイテム。 鮎竿: まずこれが高い、8〜9mの延べ竿 タモ: 釣り上げた魚を一旦すくい納める持ち手のある網 鮎タイツ: 濡れるのを前提に穿く腰まであるウェット素材のタイツ 鮎タビ: 川の中でも滑りにくく怪我をしないよう、靴底が厚くフェルト素材となっている。スパイクピンがつい

      • 人生を変えた金目鯛との出会い

        夫は、沼津魚市場で一番古い貝問屋の三代目として生まれた。 一代目の祖父が魚の行商から始め、二代目の父は魚市場で大衆貝(アサリ、シジミ、ハマグリ、カキなど)を扱う店を開き、またウナギの加工販売や干物販売を手がけた。 1970〜1980年代、仕入れれば仕入れるだけ貝は売れた。主要道路がまだ舗装されていない砂利道だった頃、トラックで何時間もかけて往復し父は貝を仕入れた。働けば働くだけお金になった時代。寝る時間がもったいないほどだったそうだ。 ウナギは、さばくところから。自宅兼作

        • 釜揚げしらすを食べすぎて数値が爆上がりした仲買人

          鮮魚仲買を生業とする夫は一直線な性格である。 そしてとにかく一途だ。 何に対しても厳選して目利きし、これと決めたものに対して深い愛情を注ぎ、愛おしむ。 モノであればそのメンテナンスは怠らず、使用後は磨いて保管。気に入ったTシャツは首が擦り切れるまで着倒す。廃盤になるのが怖いのでいくつもストックする。パッケージを開けていないコレクションもある。 夫の母親は語る、 『大好きなおもちゃを棚に並べて、遠くから眺めては位置を微調整し、角度をかえて眺めては並び順をかえる。一日中やって

        鮎釣りを教えたい父2023②

          渓流釣りにハマった2023③

          自然の中を生き抜く美しい魚とのヤリトリから、私たちは自然の素晴らしさに触れさせてもらっている。 天候の読み、険しい渓流歩きと道読み、虫や獣との攻防。渓流魚とのヤリトリの機微。 渓流釣りは実に奥深く、飽きることがない。 楽しいことだけではなく、ひとつ気を抜けば危険とも隣り合わせである。 渓流魚に魅せられた私たちは、2023年、休みのたびに川に繰り出した。渓流釣りに出かけるようになってすぐに、渓流釣り仕掛けの作り方を父にレクチャーしてもらった。(ちなみに私はエサ釣り。) それま

          渓流釣りにハマった2023③

          渓流釣りにハマった2023②〜本流ヤマメ編〜

          父プロデュース、本流山女魚(ヤマメ)釣り当日。 まずは8mの竿を1本出して取り回しのレクチャー。夫と私は四苦八苦した。 流れにうまく糸を落とせない。ともかく竿が長い。魚に不信感を抱かせるほどの不自然な餌の動き。もはや川に魚がいるとは思えないほど静かな時間が流れる。 「ちょっと貸してみろ、こうやってやるんだ」 ついに師匠が動く。 父に竿を手渡し、父からのレクチャーを夫に任せ、私は少し離れた場所に停めた車にドリンクを取りに戻った。車のドアに手をかけたその時、後方から夫の叫び声

          渓流釣りにハマった2023②〜本流ヤマメ編〜

          渓流釣りにハマった2023①

          私は鮎釣りをする父の影響で、一つ下の弟と地元の西丹沢によく渓流釣りに出かけていた。 (妹とは一度一緒に行ったが、彼女はすぐに写真を撮るのに夢中になった。) 一方、夫は幼少期から、海釣り川釣り、あらゆる釣りを実践してきたという。激しく船酔いするため、船釣りを除く。 結婚してから共に山登りに興味をもち、休みのたびに山に出かけた。登山をしていて、綺麗な清流の脇を下山することがままある。川縁にそっと近づき無言で魚影を探す2人。どちらからともなく言う。 「今度の休みは釣りに行こう」

          渓流釣りにハマった2023①

          魚を愛する夫の挑戦

          「自分が厳選した魚を、自分の手でお客様に提供したい」 地方魚市場の仲買人が、長年夢を抱いていた2018年7月に小さな海鮮丼屋をオープンした。 30年近く仲買として飲食店・ホテル・旅館など各方面に魚を卸してきた。一切妥協なく魚と向き合って、お客様に魚の魅力を伝え納めてきた。 自ら厳選した天然魚を、一切の妥協なく手抜きなしで取り扱ったら、どれだけの旨味を引き出すことができるだろう。どれだけの美味しさを発揮するだろう。「魚はうまい」とどれだけの人に言っていただけるだろう。

          魚を愛する夫の挑戦

          寝ても覚めても夫の頭の中はお魚でいっぱい

          【職業】 鮮魚仲卸業、海鮮丼屋店主 【趣味】 釣り、サーフィン、ギター 【妻】 私の名前は「海」 これはできすぎた話。 四六時中、お魚のことを考えている。 水が流れているところなら、必ず覗き込んで魚影を探す。 お魚大好き、毎日首ったけ。 彼が寝ている間にもお魚の夢を見ているらしいことがわかった時は震えた。 「狭い、幅が狭い…ブリ…そのまま…よろこんでもらえるように…」 おそらく、ブリを発送するのにそのスチロール箱では小さかったのだろう。 箱が小さいと、尾鰭を切らなければな

          寝ても覚めても夫の頭の中はお魚でいっぱい