#28-2 市町村ごとに大阪産(もん)の販路を考える
生産者から消費者へは次のような販路があります。
以前の記事で大阪の生産者の販売先を調べました。
大阪産(もん)の販路の特徴は
・ここ5年で販路が多様になってきている
・JA出荷をしている経営体が最も多いが、全国に比べると割合が低い
・全国と比べて消費者への直接販売の割合が高い
・その中でも地域の直売所での販売が多い
といった内容でした。
では、市町村別で生産者の販路はどうなっているのでしょうか。
あなたの住んでいる市町村の農産物はどこに売られているのでしょうか。
今回は各市町村の販売農家の販売先(農協、直接販売など)の割合を調べました。
農協(JA)出荷
農協出荷の農産物は基本的に市場に行き、全国や府内のスーパー等に行きます。
結果を見ると、熊取町以外は大阪の中心より北の地域です。
おそらく、野菜などではなく米が中心で育てられており、米を農協に出荷しているからだと思います。
いずれにしても2015年からの5年間で減少しています。
これは稲作農家の減少が主な原因でしょう。
消費者への直接販売
直接販売とは、例えば大型直売所、自分の直売所、ネット通販、マルシェなどがあります。
消費者への直接販売では、大阪南東部の”南河内エリア”の市町村が多くなっています。(図の赤字部分)
南河内エリアは果物の産地が比較的多いため、お客様に直接販売している人が多いことや、大型直売所が何軒かあることが関わっています。
河内長野がここ5年で割合を伸ばしているのは2014年にオープンした大型直売所「あすかてくるで河内長野店」が関わっていると思います。
オープンしてから徐々に同店で販売する生産者が増えてきているのでしょう。
自営の直売所での販売
直接販売の中でも、生産者自らが運営する直売所での販売です。
柏原市が頭1つ飛びぬけています。
これは柏原市はぶどうの直売所がたくさん並んでおり、この39件も全てぶどうだと思われます。
グラフで紫色の市はぶどうの産地であり、ぶどう生産者が直売所を構えているため上位に入っています。
その他直売所
その他直売所は大型直売所やこじんまりとした直売所など、複数の生産者の農産物が一緒に販売されている場所です。
こちらは大阪府の南河内地域(赤色)と泉州地域(緑色)で占められています。
やはりそのエリアに生産者が多く、直売所建設が進んだからだと思います。
まとめ
市町村別の販路を見てきました。
農協出荷は大阪の中心以北で割合が高い(米農家の割合が高いから)
消費者への直接販売は果物産地で多くなる
特に自営の直売所では柏原市で多く、ぶどう農家の多い地域で多い
といった特徴でした。
同じぶどう産地でも羽曳野市が消費者への直接販売ランキングに入っていませんが、
羽曳野市はデラウェアの大産地であり、市場出荷している農家が多いからだと思います。
個人的に面白かったのは、自営の直売所は摂津市、大東市、泉大津市以外には少なくとも1件はあるそうです。
つまり、上記の3市以外はどこかで農家自営の直売所があるとのこと。
ぜひ自分の住んでいる町の直売所を探してみてはいかがでしょうか?
最後にデータを貼り付けておきます。
全国との比較用データもありますので気になった方はダウンロードしてご覧ください。
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