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映画「母性」感想 母と娘×実母に褒められたい×娘よりも……

ただひたすら、ツッコミの映画だ。主人公のルミ子が、実母の娘として振る舞う。自分の子供よりも、実母を優先する姿勢には、何か狂気を感じた。依存しているように見えるのは仕方ないかもしれない。実母がいなくなっても、義母に認められることを優先するのはどうか?こき使われ、熱があっても野良仕事をさせられる。何か反論すればいいのに、それをしない。承認欲求が高すぎるのか。ルミ子はどこか歪で、母と同じでないと、褒められないとどうしようもない、褒められたい、そーゆー想いが伝わる。母親を喜ばせるために結婚し、それは母と自分の絵に対する意見が異なった結果で、結婚でみんなが不幸になる。義母は、息子の幼馴染と結婚してほしかったという始末で、結局、ルミ子の夫はその幼馴染と浮気する。ルミ子の、たった一つの行動で、それは母に褒められるため。結婚も、出産も、子育ても。出産の時に、実母が出産に立ち会えないことに憤って、実母と娘の命の危機には、迷わず実母を選択する。ルミ子はおかしいのか、普通なのか分からないが、ルミ子の娘にも受け継がれているみたいなのが心配だ。ルミ子の娘は、最後に「女性は2種類いて、母か娘かだ」みたいに言っていた。ルミ子を見ているとまさにそうであり、ルミ子は子供の名前を呼ばないのだ。狂気にも、愛にも感じるが、だからこそ、母性は後から、後天的についてくるものだというのが、今作品での考え方だ。ルミ子はいつまでも娘であり、実母に褒められるために生きている趣味も結婚も子育ても。しかし、子供が生まれ孫を慈しむ娘に嫉妬や怒りの感情をあらわにしてからは、ドキドキの連続だ。人の気持ちを分かれというが、それは母の気持ちを分かれという意味で、子供の成長を願ってのものではない。それがかなり歪であるが、残酷である。

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