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映画「PERFECT DAYS」感想 淡々としたトイレ掃除×銭湯と飲み屋×何気ない世界

●毎日淡々とトイレを掃除する男。しかし、家に帰り、銭湯に行き、飲み屋に行く。普段の何気ない日常があって、引き込まれた。豪華な食事や家もない、だがその空間があることが不思議に自分にも欲しくなる。朝、アパートの前の自販機でコーヒーを買う。そーゆー何気ない世界に幸せを感じる。

★毎日は同じだが、ルーチンに当てはめ小さな変化を逃さない生き方
●わたしは毎日は同じではないと思う。毎日の中で変化を楽しめるのが生きているということ。本作では、役所広司さんが演じる清掃員が木漏れ日を撮影するシーンがそれに当たる。毎日同じようでも木漏れ日をカメラにとらえられるかは分からない。小さな変化があり、それが木漏れ日につながっていく。ただ、毎日変化があると、メンタル的に負荷が高いので、毎日は違うのだが、ルーチンに行動を当てはめていく。ルーチンにいるからこそ、木漏れ日という小さな変化を見逃すことはない。

○役所広司さんの演技が良かった。タイトルの通りで、足るを知る、限られたものの中で生活をする。古いアパートに住んでおり、仕事の後に銭湯に入り、馴染の居酒屋飲み食いする。豪華ではないが、その中に崩さないルーチンがあった。その一部始終を演じる役所さんの演技に引っ張られて、すごい没入感がある。観て損はない作品だ。最初はボロく、鍵も閉めないアパートなのに段々と一つの城のように感じるから不思議である。
○最初はもっと声を荒げるような激しい作品かと思った。他作品で役所広司さんを観たからなのだが、すごくゆっくり物語が進むのが印象的だ。東京で一人黙々とトイレを掃除して、プライベートを含めたルーチンは何か美しさを感じる。
○どこかインテリのように見えた。大量の本を読むし、妹は運転手付きの車で生活をしている。父と喧嘩したような話もあり、もしかしたら裕福な家庭で育ったのかもしれない。

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