Vol.9 好き嫌い克服の第一歩は食材のストーリーを伝えること
野菜どこからきたの?で子どもの発見意欲を育てる野菜ダイスキッズの実施
子どもの好き嫌いに頭を悩ます親御さんは多いと思います。
私のところにくる質問のベスト3にもこの好き嫌い問題があります。
好き嫌い克服には、自らその食材を調理してみることや、その食べ物ひとつひとつにストーリーを作ってあげる等の方法があり、それによってすんなり食べてくれたりします。
今回はその一つとして、「野菜探検隊」の方法をご紹介したいと思います。
何をするかというと、旬の食材を実生活において探して行くのです。
料理教室では季節ごとに旬のものがぎっしり書かれたカードを渡しています。
例えば夏はピーマン、トマト、トウモロコシにナス。旬のものがいっぱいです。
「あれ!?ちょっぴり苦手なピーマンの旬って夏だったんだ。」
旬をカードによって知った子ども。
まずはここで少しだけピーマンとの接点を持ちます。
次の日、園に通う道の途中、その子は今まで見過ごしていたあるものを大発見します。
なんと!いつも通りすがるおうちの庭に家庭菜園でピーマンがなっているのを見つけたのです!興奮気味に「ピーマン見つけたよ!」とお母さんに報告です。
この瞬間、今まで見ていたバーチャル世界がリアルの体験と結びつくのです。
実生活でカードで見たものに遭遇すると、その発見が嬉しくなります。
そうすると、その食材に少しだけ親近感を持ち始め、「ちょっと食べてみたいかも...」という興味に変わります。
実生活において発見することで、子どもたちの知る喜び、探すワクワクは大きくなります。
このように楽しみながら食について学び、子どもに様々な食材に触れてもらう経験の機会を積極的に提供しています。
子どもにとって、食材がどこからどうやってきたのかを想像することはなかなか難しいです。
だからこそ、親が絵本や図鑑を見せてあげながら教えることって大事なのではないでしょうか。
そうやって少しずつ、野菜や魚などの食材が、最初からスーパーマーケットに存在していたわけではないことに気づき始める。
さらにふとした時に、絵の中で見ていたものが現れ、絵本と日常の世界が結びつく経験をする。
その経験を通して、世の中には色々な発見があることを学び、自然とアンテナを張って日々過ごせるようになるのではないでしょうか。
たくさんの発見が子どもの世界をどんどん広め、好奇心や探求心が養われていくものだと考えます。
筆者:リトルシェフクッキング(株)代表 武田 昌美
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