見出し画像

挫折した本を紹介します。

こんばんは。今日は趣向を変えて、読むのを挫折した本を紹介しよう。なんで読めなかったかも併せて考える。

 今回読めなかった本はこちら。

 『わたし、定時で帰ります。』です。

 具体的な話の前に一応断っておくが、これは本書を否定するわけではなく、あくまで「私が読めなかった」というだけの話だ。

 さて、まず本書はヒット作である。2019年にはドラマ化もしている。間違いなく面白い物語として世に認知されているものだ。主人公のOL東山結衣は「定時で帰宅する」というモットーで仕事をしているんだが、周りにいる人間がヤバい奴揃い。有給は絶対使わないし熱を出しても絶対出社してくる「皆勤賞女」、恋人よりも仕事の元カレ、無茶な仕事を安請け合いするポンコツ上司など、周りが「残業しないなんて間違い!」という思想の人間で固められている。

 そんな彼らを、自分の「定時で帰る」モットーを貫いた上で黙らせる爽快なストーリー、なんだと思う。読んでないので定かではないが。

私は、全体の20%で挫折した。

 なんで挫折したのかなと自問したんだが、恐らく「身近すぎた」のが原因だと思う。残業信仰をする人の思考や、他人に残業を強要してくる感じとかが、嫌すぎてフィクションとして受け取れるキャパシティを超えたんだと思う。「残業しないなんてあり得ない!」「もっと会社のために働きなさいよ!」みたいなことをマジで言っている人が、一人ならまだしも何人も出てくるのだ。

 もちろん、その「嫌な部分」がその後のスカッとするストーリーのフリなのは十分に分かっているんだが、フリだとしても嫌すぎた。

 私の残業そのものに対する嫌悪感も、今回の挫折に一役買っているかもしれない。

 仕事の形態と個人の担当によって都合は異なるが、私は帰れる時は速攻で帰るし、その日中に終わらせなければならない仕事以外は、ある程度次の日に回す。1日中働いた日の18時以降の脳みそはほぼ全員停止しているので、効率的に仕事をするのは難しいと思っている。

 それでも、定時以降にやらなきゃいけない仕事が大量にあるなら、それはその体制のせいで「やらざるを得ない」ことであって、それ自体は不平の対象であるべきだ。

 多分、昔は「仕事一筋」で「仕事が趣味」で景気も良かったし仕事が楽しくて仕方ない人が多かったんだろう。達成感と自己効力感をエンジンにして、働き詰めできた時代があったのかもしれない。でも今は違うんじゃないかなあ。

 残業が嫌いすぎて道を逸れた気がする。

 「52ヘルツのクジラたち」も、虐待やDVなど結構ハードな小説だったが、これは読めた。恐らく私にとってテーマが身近ではなかったからだと思う。それに加えて、「52ヘルツのクジラたち」は時系列に工夫がされていた。最初に田舎でのんびり暮らし始めるところから始まり、その後回想としてハードな境遇が描写されるため、ある程度安心して見ることができる。優れてるなあ、と思う。

 いかに残業が嫌かについてもっと書けるが、このくらいにしておこうと思う。

 それでは。

この記事が参加している募集

無理は言いませんし、そう簡単に得られるとも思っていませんが、サポートしていただけたらそのお金で買ったことのない飲み物を買います。