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不動産エージェントのお仕事(フロリダ州)

ポイント
・報酬は売り手(Seller)が出す
・売り手、買い手それぞれにエージェントがつく
・エージェントを利用しない人もいる


〇不動産エージェントのキャリアとお給料
不動産エージェントって何してるの?とよく言われますが、簡単にいうと家や不動産を買うひとのお手伝いです。ちなみにフロリダ州はアメリカ全土でも有数の不動産売買が盛んな市場。コロナパンデミック以前も1日平均700人がフロリダに転入していました。
というわけで不動産エージェントも全米有数の200,000人程度(Florida Realtors)。フロリダ州の人口が約2154万人(2020年国勢調査より)ですので人口の約1%が不動産エージェントというわけです。でも5年後の継続率は13%(NAR®,2014)ですので長続きしない職業でもあります。せっかく州の資格試験を通っても、ほとんどの人が辞めてしまうわけです。

これは不動産エージェントの給料がコミッションに基づいているため不安定なのも要因です。
不動産エージェントのお給料は売買契約が成立した瞬間に確定します。フロリダ州では売り手が住宅の売却益から〇%を買い手&売り手それぞれのエージェントに支払う形態となります。
※賃貸の物件探しも不動産エージェントのお仕事ですが、オーランド含む中央フロリダエリアでは賃貸報酬が$200程度と非常に低いため仕事を受けないエージェントも存在します。マイアミなど南部フロリダエリアでは賃貸報酬が高いため人気とのことで地域差も大きいです。

このため売買契約が成立しなければ(途中で契約破棄となれば)、お給料はもらえないわけです。また、買い手(Buyer)のエージェントは内覧などでBuyerと一緒にいろいろな物件を見に行きますが、買い手が気に入った家を見つけられなければその分移動のガソリン代なども嵩みます。こういった費用面の負担と、収入の不透明さもあり不動産エージェントは不安定な職業です。

ところでRealtorとReal Estate Agent、なにが違うんでしょうか。実はRealtor®はNational Association of Realtorに参加しているReal Estate Agentのことです。なので正式には商標®が付きます。Realtorであるということは地域のMLS(Multi Listing System)にアクセスできるだけでなく、NARの定める規範(Code of Ethics)にのっとった不動産活動を行っているという意味もあります。

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〇売り手、買い手にそれぞれエージェントがつく
不動産売買は非常にシンプルな流れですが、契約書の作成やいろいろな手続きを考えると非常に手間のかかる作業でもあります。それをできる限り簡単にするのが不動産エージェントのお仕事です。
それぞれの仕事は簡単に出すと以下のようなものになります。

売り手側のエージェント(Seller / Listing Agent)
・市場情報を正確にとらえることでより正確な市場価格を見積もる
・買い手(Buyer)との窓口になることでやりとりの手間を減らす
・マーケティングを利用してより多くの買い手(Buyer)とマッチング&販売価格を高める
・本交渉においては売り手(Seller)のニーズを最大限叶えるために交渉する
・契約書の作成
・各プロセスにおける期限の順守、フォローアップ

買い手側のエージェント(Buyer's Agent)
・買い手との面談を通して購入プロセス、ニーズ、予算の確認
・必要ならローン会社、名義会社(Title Company)、住宅保険会社などを紹介
・ニーズに最も適した住宅を調べ、内覧アポをとる
・市場情報と買い手のニーズをもとに適切な金額のオファーを行う
・契約書の作成
・各プロセスにおける期限の順守、フォローアップ

また、不動産エージェントは個人事業主がほとんどです。
「顧客は自分でみつける」が基本となるため特定の顧客がいない場合は以下のような営業活動で顧客を探します。

・紹介(家族、友人、顧客などから)
・電話営業(Cold-Calling)
・住宅訪問(Door-knocking)
・所属するブローカーオフィスの受付(Floor Time)
・オープンハウス
・顧客ブローカーから購入(手数料を払って顧客を買う)


〇エージェントを利用しない人もいる
フロリダでは売り手側がエージェントの報酬を払います。でもエージェントを使わなければその分売却益が増えるということですね。そのためHome Sale by Owner (FSBO)と呼ばれる住宅のオーナー自ら販売を直接行う場合があります。
この場合、エージェントを利用しないので契約書の作成、内覧アポイントメントなどすべて自分で行うことになります。また市場の情報を正確に得られている場合は良いですがそうでない場合(「Zillowの自動計算で住宅価格を決定した」など)は、買い手がつかなかったり、もしくは買いたたかれる可能性もあることを念頭に入れたうえで行う必要があります。


なお、NYなどでは契約書の作成を弁護士(Attorney)が行うそうですね。フロリダでは不動産エージェントが主に記入しますが「自分の利益を守るためにどの契約書を利用して販売を行うのか」など専門の知識も必要になります。

また、売り手がエージェントを利用する最大のメリットはマーケティングです。自分で200人の人にマッチングしてオファーをもらうのではなく、エージェントの提携するブローカーの力を使って「世界中の20万人に向けて家を売り込む」ことで販売金額を最大限に引き出すのが目的となります。

というわけで宣伝です。
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