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フロリダ州不動産市場状況:売り手市場

フロリダ州は「売り手」市場です。これはもはやフロリダに住んでいたら一度は聞いたことがあるトレンド。

不動産業界としては一般的に住宅の販売数/住宅の在庫で計算される”Absorption rate”の指数をもとに市場を理解します。この指数は市場の住宅すべてを消化するのに何か月かかるか、を示します。
指数が6.0程度なら「ニュートラル」
指数が6.0以上なら「買い手市場」
指数が6.0未満なら「売り手市場」

ところが、2020年はこの指数が1.0以下となりました。
つまり市場にある住宅が1か月かからずにすべて売り切れてしまうという需要過多と、供給不足が同時に発生したのです。

フロリダの住宅価格はここ1年で+20%以上(Indian River郡では+50%)、家には「Offer Pad」「Opendoor」といった住宅を現金一括で買い取る業者(iBuyer)から「この金額で家を即買います」というダイレクトメールが届いたり、Zillow(アメリカ最大の不動産サイト)のウェブサイトではZestimateという住宅価格の自動見積もりがあるんですがそれで自分の住宅価格を見て「え、こんなに値上がってるの?」と驚いたり。

そして賃貸の人は家賃がここ2年で1.5倍~2倍に上昇、そのうえ歴史的に低い住宅ローン利率(2021年1月)を受けて「家を買ったほうが安い」と思う人も多かったと思います。ところが住宅がない。マーケットに出ている住宅の供給数が足りないのです。

またコロナパンデミックを経て「リモートワーク」が定着すると、フロリダへの移住がさらに加速しました。パンデミック前は1日700人程度だった州外からの移住者は2020年には1日1000人ほど、そして多くがアメリカ北東部の州(NY、NJ、CT)からの移住者です。

The latest stats from snntv.com indicate that nearly 1000 people move here every day and many are coming from northern states like New York, New Jersey, and Connecticut. According to move.org, Florida was the most moved to state in 2020.
https://www.fox4now.com/weather/weather-blogs/its-all-about-the-weather

加えてこの価格高騰は「良い不動産投資」としても理解され、州内外の投資会社が住宅を現金で購入⇒賃貸にまわすという現象も起きています。

フロリダ州、郡としても急ぎ「Affordable Housing(手ごろな価格の住宅)」が必要とのことで新築住宅の建設ラッシュとなりましたがこれもまたパンデミック後のウッドショックなどを引き起こし建築資材のコストが急上昇。今はだいぶ収まっていますがピーク時の木材(2x4材)の店頭価格は2年前の3倍ほどで、私個人もDIYerですが悲鳴を上げたくなる状況でした。(今日時点ではパンデミック前の1.25倍程度...。良かった)


ところで住宅をすでに持っている人が新しい家の購入を考える場合、現在の住居を売ってから新居へ移動しますね。
家を売った~新居移動までの間に住宅をどうするのかというと、Lease Backといって売った住居を購入者から賃貸してもらう方法、売った住居から退居して月単位の賃貸で過ごして新しい家に引っ越す、いったんどこかに身を寄せるなどなどあります。
現在の市場だとこういったすでに住居を持っている人の新住宅購入は少し不利な状況にあります。というのも契約の際にさまざまなContingencyを確認しますが、すでに住宅を持っている人は「Sales Contingency」という項目で自分の利益を守ることができるからです。これは期限内に自分の持ち家(現住居)が売れなかったら本契約を破棄できるというもの。
この条項は、売り手が「(自分も次の家を買いたいから)急いで家を売りたい」という場合には少し不利になります。というのも「家が確実に売れるか」なんて誰もわかりません。そのうえ現金一括購入をする投資会社などはAppraisal(ローン審査)やこのSales Contingency無しのオファーを出すので売り手は早く確実に売れるオファーを選ぶからです。

こうなるとSales Contigencyで買い手の利益を守るよりも、家を売って賃貸に住んでから「ほしい家にオファーをかける」ことで確実に欲しい家を手に入れることになります。
というわけで住宅販売後に賃貸への移行が増えているという記事
オーランドエリアでは現在賃貸住宅の在庫が非常に厳しく、詐欺(Scam)も増えているので賃貸契約をお考えの場合はどうぞご連絡ください。賃貸物件の検索、内覧などお手伝いいたします。


さて、私個人としての宣伝になりますがColdwell Bankerでは「Realsure」というプログラムをご提案しています。
これは現金一括購入のオファーを「最低ライン」として確実に売れることを見込みつつ、オンライン、TV、雑誌などへのマーケティングにより「より高いオファー」が得られればそれに切り替えられるというもの。住宅が売れるかどうかの心配を少しでも減らせるプランです。
そしてこのプログラムでオファーされた「最低価格」を利用して次の住宅にも今のプログラムが売れたものとして「オファー」が可能になります。これならSales Contigencyの問題も、Appraisalの問題も軽くなりますのでオファーの受け入れ性が高くなります。

また、業界で初めて「RealVitalize」というプログラムも導入しています。
これはAngi(旧Home Adviser)との提携で「住宅販売前」にリフォームを行い、そのリフォーム代金は「住宅販売後」に支払うというものです。これにより前払い、利率なし、追加費用なし、かつLien(負債)が住宅につくこともなく住宅販売価格を押し上げることができるというものです。
リフォームは塗装、家の掃除などの簡単なものからキッチンのフルリモデルまで行うことができます。ただし金額の上限は「Coldwll Banker不動産エージェントの報奨金額(%)か、最大$50,000どちらか低いほう」となります。エージェントへの報奨が高ければ最大$50,000のリフォームも可能ということです。

他の企業も同様のプログラムを開始しましたがデポジットの有無、そして家にLienが付くかどうかをご確認ください。RealVitalizeは契約した金額以外の支払いはありませんしLienもつきません。


質問等お気軽にどうぞ。
またオーランドエリアのお引越しをお考えの方、お手伝いいたしますのでご連絡ください。
アメリカで不動産エージェントをお探しの方、全米&フロリダで販売実績no.1ブローカーかつアメリカでもっとも道徳的な企業に選ばれたColdwell Banker Realtyのネットワークを駆使して信頼できる現地エージェントにおつなぎいたしますのでご連絡ください。
https://kaorihodges.cbintouch.com/cp/japanese/

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