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#41: こんなときだから♪おニャン子クラブ 〜斬新だったアイドル道ー「真赤な自転車」

おニャン子クラブ:真赤な自転車(1985)
作詞: 秋元康 作曲: 高橋研 編曲: 佐藤準

今週のテーマは「乗る派? 撮る派? いや聴く派でしょ!ー乗り物の音楽」

おニャン子クラブがアートかと問われると「う,うん…」と答えるのに窮しますが,当時の記憶をたぐると,小学生ながら「なんと斬新な!」と驚いたこと思い出しました。

それまでのアイドルは,山口百恵,ピンク・レディなどなど,ルックスはもちろんのこと,歌唱力も抜群。
圧倒的なパフォーマンスを披露してこそ真のアイドル。そのクオリティは今も色あせることなく輝きを放っています。

そして,その流れに反するかのように表れたのが,元祖大所帯アイドルことおニャン子クラブでした。

放課後にアイドル活動をする女子高生と女子大生,というコンセプトのオーディション経て集められた女の子たちは,どこにでもいるような素人っぽい,よく言えば親しみやすい子。衣装もスウェットなんて当たり前。歌唱力やダンスも,圧倒的というより庶民的。世の女の子たちは「私もアイドルになれるかも!?」という,一気にアイドルへのハードルを低く感じさせた,そんな存在でした。

いまでこそ,モーニング娘。やAKB48などオーディション経由の大人数アイドルグループとしてお茶の間を賑わす存在が増えましたが,当時の家主の目には何もかもが新しく写りました(どんな小学生……)。

そして,なんとなんとはじめて買ってもらったLPがおニャン子クラブの初のオリジナルアルバム「KICK OFF」。その中で,好きだった歌が「真赤な自転車」です。

今までのアイドル像を見事に壊し,独自のポジションを確立したおニャン子クラブは,そういう点で,新しい道を切り開くアートの姿勢と通じるものがあります。そして,驚くべきことに,実際の活動期間はたったの2年半だったということ。その間に,ソロ,デュオ,ユニットはもちろんのこと,正統派アイドル,お笑い系,演歌とジャンルも幅広く,短い期間によくもここまで実験的な活動ができたな,と畏敬の念を隠せません。そう考えると,おニャン子クラブは秋元康さんの前衛作品だったと言えるのではないでしょうか。

そんな昭和という時代に名を刻んだおニャン子クラブ。
こんなときだからこそ,じっくり聴いてみようじゃありませんか!

今日もみなさんにとって,素敵な一日でありますように!


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