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#51: こんなときだから♪ベートーヴェン×ベルトルッチ〜「創作主題による32の変奏曲」

ベートーヴェン:創作主題による32の変奏曲(1806)
#50 -56のテーマは「名シーンに刻まれたあの1曲ー映画とクラシック音楽」

家主は<優れた変奏曲=一流の証>と考えています。バッハ,ベートーヴェン,シューベルト,シューマン,ショパン,ブラームス,ラフマニノフ などなど,歴史に名を残す作曲家は素晴らしい変奏曲を残しています。

変奏曲とは,あるテーマ(メロディ)をもとに,アレンジすること。「6つの変奏曲」とあれば,6つの変奏(アレンジ)が連なった曲,ということになります。
テーマとなる素材も,その当時に流行った歌や,民謡,他の作曲家の作品から拝借したもの,自分の作品から流用したものなどなど,色んなケースがあります。

家主は,この一つの素材から多様な広がりを見せる変奏曲が大好きです。すべての変奏が,テーマという血で繋がっているにもかかわらず,一つひとつの変奏はとても個性的で性格も異なる。なんだか,家族みたいなもんなのかなー,と考えたりします。

本日お送りするベートーヴェン作曲「創作主題による32の変奏曲」は,ベートーヴェンのオリジナルのテーマに32の変奏が連なった作品です。
この曲のテーマは,たったの8小節。時間にすると15秒ほどの短いものです。なので,第1変奏,第2変奏と次から次へと展開していきます。

ベルナルド・ベルトリッチ監督の映画『シャンドライの恋』では,主人公シャンドライに思いを寄せる作曲家・ピアニストのキンスキーが演奏します。シャンドライはキンスキーの屋敷でメイドとして働いているのですが,無口でシャイなキンスキーはほとんど会話を交わしません。しかし,言葉にできないキンスキーの思いを代弁するかのように,ピアノは雄弁に語ります。その切ない思いとベートーヴェンのこの作品が相まって,何度見ても胸が締め付けられます。

このStay Home のゴールデンウィーク。切ない大人の恋愛に浸ってみませんか?

今日もみなさんにとって,素敵な一日でありますように!

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『シャンドライの恋』(1998)  原題:Besieged
監督:ベルナルド・ベルトリッチ
主演:タンディ・ニュートン, デヴィッド・シューリス


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