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《有料》(7)カネやん、宮城の空に舞う プレーオフ

第6章 24年ぶり、日本一への道 (1974(昭和49)年)

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《有料公開》(7)カネやん、宮城の空に舞う プレーオフ
《有料公開》(8)一丸でつかんだ24年ぶりの日本一(日本シリーズ)
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(7)カネやん、宮城の空に舞う プレーオフ

 オリオンズにとっては初のプレーオフ。対する阪急は前年、南海の「死んだふり」にやられて悔しい思いをしている。下馬評は阪急が圧倒的に有利との評。戦いは10月5日から始まった。

【第1戦】10月5日(西宮)観衆…20,000人
ロッテ 110 100 000=3
阪 急 000 100 100=2
 オリオンズの先発マウンドは木樽に託された。1回表、トップバッターに入った池辺がセンター前へ。2番飯塚が送った一死2塁から、三番の得津がライト前へのポテンヒット。池辺が還って先制した。
 その裏の木樽の立ち上がり。いきなり福本を四球で歩かせる。しかし、続く大熊の当たりはショート飯塚の正面。併殺となり立ち上がりのピンチをしのぐ。
 続く2回表もオリオンズは攻める。1死から弘田が盗塁を決めた一死2塁から7番に入った有藤がセンター前へ。弘田が還って2-0とリードを広げた。4回表にも一死一、三塁から、再び有藤がライトの前へタイムリーを放ち3-0とリードを広げた。
 4回裏、木樽が捕まる。加藤の三塁打と長池タイムリーで1点を返される。ここでカネやんは八木沢をマウンドへ送る。早くも継投策だ。その八木沢は森本にセンター前にヒットを許し、バントで1死二、三塁とピンチを広げる。ここでカネやんが動く。三井をマウンドへ送った。代打は高井。高井の打球は三塁線へ強烈なゴロ。しかし、有藤が好捕。飛び出した長池を三塁で封殺すると一塁へ転送。見事併殺でこのピンチを切り抜ける。その三井が続く5回裏に捕まる。四球とヒットで無死一、二塁とピンチを招くと、カネやんが再び動く。左の福本を迎えたところで左腕・水谷をマウンドへ。その水谷が福本、大熊、加藤の3人を抑える見事なピッチング。カネやんもベンチを飛び出し、水谷を笑顔で出迎える。

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