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【業務日報】摘果終了、そして…。

東京オリンピックが開幕し、天気予報では全国各地で猛暑日が続いているなか、こちら岩手の陸前高田市でも暑い暑いとは言いながら、30℃前後の気温に広田湾から吹き上げる浜風のおかげで思ったより過ごしやすい毎日です。高田松原では11年ぶりに海開きが行われたり、小さなイベントもぽつぽつ開催されているので、マスクをしながらも感染が拡大している地域の方々には申し訳ないくらいの「普通の夏」を迎えております。いまのところは。

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おかげさまで、りんごの年間作業で最も時間がかかる仕事「摘果」が終了しました。4月後半からの「受粉」からここまで、毎週末には沢山の方々が手伝いに来ていただき、本当に感謝しかありません。と同時に、摘果そのものの作業というより、りんごができるまでの作業についていろいろ考えさせられた日々だったなあと振り返ります。と、その前に「摘果って何?」という方向けに、さらっとご案内しましょう。

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りんごはまず、4月下旬~GWの頃に開花し、1つの株から5つの花が咲いて幼果(ちっちゃいりんごの赤ちゃん)ができますが、その5つの幼果それぞれが次第に膨らんでいき、木の持っている養分を取り合うため全ての幼果が大きくなることはできません。 そこで、真ん中の「中心果」を残して周りの幼果をハサミや手で摘み取り間引きする作業のことです。終わるのが早ければ早いほど、木が無駄な養分を使わないので果実にとってはいいのですが、今年に関しては4月の低温による「凍霜害(とうそうがい)」が発生し、例年のような結実具合ではなかったため、5月の作業を我慢し、6月から本格的に行いました。

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マニュアルによると、摘果は「満開後25日頃までに荒摘果,60日までに仕上げ摘果」とあり、7月上旬までには終わらせなさいよ、ということなのですが、まあ終わりません。一昨年は7月25日に終了、前年は7月13日というデータがありますが、今年は7月26日に終了いたしました。一か月遅れで開始したのもあってギリギリセーフというところでしょうか。他はとっくに終わっているんでしょうけど…。

そのほか、どうしても人手不足の場合は「ミクロデナポン」という水和剤を散布する、という手もあります。これを散布するとあら不思議、約25日後には中心果以外の測果(まわりの果実)が勝手に落ちるというもの。ちなみにイドバダアップルではミクロデナポンは使用せず、農業体験も兼ねて畑に人を呼び、すべて手作業で行っています。来ていただいた方々が「楽しかった!」と言っていただけるのが救いです。

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そして、現在のりんごは、というと。

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収穫時期は9月前半。ここまで大きくなってきました。

摘果が終わったとしても、見落としがあったり、病気になったり、猛暑が続けば日焼けがあったりと果実の様子は毎日行います。草刈りに関しては、ロボモア君がいるおかげでかなり軽減されてはいますが(それだけでも大助かり)。

そして、いま気がかりなのは台風です。

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台風が太平洋沿岸から上陸というやつは…2016年、岩手県の岩泉を中心に甚大な被害が出た台風10号を思い出します。みなさま、どうかご安全に。

明日は、前半に記した「摘果そのものの作業というより、りんごができるまでの作業についていろいろ考えさせられた」理由についてつらつら書きたいと思います。

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それでは素敵な1日をお過ごしください。
イドバダアップル 吉田司でした。



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