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14【くらしヒアリング発表会_09】コロナ3年目、キッチンから見る、くらしの変化~リモートワークで高まる「キッチン」の存在感~前編~

分譲マンション開発を手掛ける日鉄興和不動産株式会社と株式会社オレンジページは、「もっと料理上手になるキッチン」をテーマに、単身者向け住宅のキッチンを研究する「Plus Kitchen PROJECT」を立ち上げ、2018 年3 月より活動を行ってきました。2018 年には単身者向けオリジナルキッチン、2019 年にはファミリー向けオリジナルキッチンの共同開発をしています、
 
今回は、プロジェクト第3弾「これからの家族に求められるキッチン」の開発に向け、2022年に実施した調査結果から「コロナ3年目、キッチンから見る、くらしの変化」を前中後編、3回に分けてお伝えします。

コロナ3年目、くらしの変化を実感している層は?

コロナ禍では、誰もがくらしの変化を余儀なくされました。2022年6月にオレンジページメンバーズ対象に実施した調査では、全体の69%が生活全般で「変化があった(とても+やや)」と回答。中でも、一都三県在住のリモートワーク経験者で、夫婦+子世帯の89%が「くらしの変化」を実感したと回答。全体と比べて20ポイント高いことが分かりました。

The Orangepage Inc. All rights resereved 2023

この結果から、定量データだけでは紐解けない実態を探るため「一都三県在住・本人または家族がリモートワーク経験あり・夫婦+子世帯」のオレンジページメンバーズ4名にデプスインタビューを実施しました。
インタビュー前の事前課題として、キッチンのお気に入りの箇所と不満な箇所、コロナ禍で購入した家電など、写真レポートを依頼。それをもとに、キッチンの使い方や現状の満足点・不満点を深掘りし、さらにライフステージやコロナ禍での生活の変化なども併せて聞くことで、より具体的なニーズや潜在ニーズなどを明らかにしました。

The Orangepage Inc. All rights resereved 2023

コロナ禍、「自分の料理の頻度・時間が増えた」74%

定量調査の結果では、コロナ禍での料理の頻度・時間」について、増えた・やや増えた・変わらない・やや減った・減った(該当なし)の5段階で聞いたところ、「増えた+やや増えた(計)」で一番多かったのが「自分の料理の頻度・時間」74%、次いで「自分以外」48%、「家族一緒に作る」が37%でした。

「ランチもちゃんと手作り」からの解放
市販品の利用ハードルが下がる

コロナ禍で特に負担が増えたのは昼食作りと言われます。ところが、2020年の調査で「テレワークの昼食」の自由回答で目立っていた「面倒」というワードが、2022年の調査では見当たらなくなりました。コロナ3年目、リモートワークでの昼食づくりに変化が起こっていることが、インタビューからも見えてきました。

The Orangepage Inc. All rights resereved 2023

「家族がいるとちゃんと作らなければいけなくて。昼食も夕食と同じくらいのパワーをかけ、夕食を2回作る感じだった。だんだん疲れてきて ●●の素はありがたいと使うようになった。(A子さん・48歳・専業主婦)」

「1人だと昼食は適当でいいが、夫がいると手作りのほうがいいかなと思って作ることが多かった。最近は冷凍パスタや丼も二人で食べるようになりました。(Bさん・ 36歳・専業主婦)」

家族や自分の在宅時間が長くなったことにより、料理頻度が上がり負担が増える中、コロナ3年目に入ると、レトルト・冷食、市販品・デリバリー利用のハードルが下がり、手作りの呪縛から解放されていることが伺えました。

前編では、コロナ禍で「くらしの変化」を一番感じた、一都三県在住のリモートワーク経験者・夫婦+子世帯について、定量調査とインタビューから、食生活の変化をお伝えしました。

次回は、コロナ禍のキッチン家電・設備についてレポートします。
1.時間と家電が強い味方
「合間の仕込み」「ほったらかし・同時調理」で夕食が充実
通勤レスで朝食習慣が定着
2.家電置き場、コンセントの位置・数に不満
コロナで購入・買替えキッチン家電あり
家電の数や使い勝手に対応したキッチン仕様
3.気になるキッチン設備は、「自動洗浄の換気扇」
料理頻度が上がり「キッチンがすぐに汚れる」
料理の油汚れは、手間もひまもかかる「名もなき家事」


オレンジページでは、さまざまなリサーチやデプスインタビューによる生活者のリアルなインサイト発掘、「兆し」の発見で、みなさまのマーケティング活動のお手伝いができればと考えております。ご興味がありましたら、下記までお問合せください。

文)オレンジページくらしデザイン部