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09【くらしヒアリング発表会_04】  腸活ブームの「リアル」を追う ~みんなの食事日記から(後編)

前半では、オレンジページがこれまで「腸活」についてリサーチしてきたデータをご紹介してきました。

後半では、腸活している5名が投稿した食事日記をひもときながら、「腸活のリアル」に迫って参ります!


モニターNo.1   腸活歴10年! 便秘に悩むAさん


イラスト提供/PIXTA


Aさんはフルタイム勤務の女性。20代のころから便秘に悩まされてきました。3~5日に1度しか出ないことが日常的で、なんとかしたいと10年以上腸活してきたそうです。

朝は水だけ、昼はゼリー飲料とバランス栄養食品

忙しいAさんは、朝はおなかが空かないからと、コップ一杯の水を飲むだけで、食事はとくにとっていません。昼は、2週間の食事日記のうち、10日間はゼリー飲料とバランス栄養食品でした。

1週間のうち2日間だけ菓子パンや総菜パンで、5日間はゼリー飲料とバランス栄養食品。

間食は、腸活を意識して毎日ヨーグルトを200g!

毎日ヨーグルトは欠かさず、1日に食べる量は1/2パック、約200g。「腸活によいと紹介されていた」からと、長年実践しています。他にも、フルーツやふかし芋、食物繊維量の多いパン。腸活のために、かなりストイックにコントロールしている様子がうかがえます。

夕食は、どんぶり一杯のサラダと納豆がマスト

夜は野菜をとるために、どんぶり1杯分の野菜サラダを食べるのが日課。健康診断で脂質の数値がよくなかったため、油の多いドレッシングは使わずに、魚粉とお酢のみで味つけ。納豆と豆腐もほぼ毎日食べていました。

Aさんの腸内環境は……?

Aさんの腸内代謝物スコアは、平均を下回っていました。

ヨーグルト1/2パックを食べ続けるなど、「継続性」はモニター中ピカイチでした。ただ、「油分はとりたくない」「塩分も控えたい」など、気を使うあまり、いろいろなものを省く「引き算の食事」をしていて、食べられるものが狭まっているのでは…とも感じました。

こうした特徴から考えると、がんばるあまりに食事にかたよりが出てしまうAさんは、「思い込み腸活」タイプといえるでしょう。

イラスト提供/PIXTA

モニターNo.2 納豆や乳酸菌飲料好き Bさん

Bさんは、家族と3人暮らし、仕事が忙しいフルタイム勤務の女性。腸活歴は1年以上3年未満、玄米や雑穀などを積極的にとっています。

イラスト提供/PIXTA

「乳酸菌飲料を毎日」→実際は週3~4回

こちらは、Bさんの1週間分の朝食写真です。応募時のアンケートでは「乳酸菌飲料は毎日飲んでいる」との回答でしたが、実際には、2週間のうち7回しか登場していませんでした。

「納豆は毎日」→実際は週に1~2回

同様に、「毎日納豆を食べている」という回答でしたが、実際には2週間のうち、納豆を食べたのは3回だけ意識と実態に大きな乖離がありました。

ただ、こうした意識と実態の「ズレ」は珍しくはありません。

読者に食事日記を登録してもらう「ダイエットマラソン」企画では、
終了後に日記を読み返すと、「思った以上に甘いものを食べていた」「こんなに間食をしていたなんて」と、驚く声が多数寄せられました。本人の自己申告が、必ずしも実態と合致していないのは、リサーチにおいて注意しなければならない点だと思います。

Bさんの腸内環境は……?

B子さんの代謝物スコアは65。平均よりも下回っていました。
乳酸菌や発酵食品をとろうと意識しているB子さんですが、自分が思うほどには食べていないことが明らかになりました。
意識と実態にズレがある、「つもり腸活」タイプと言えそうです。

イラスト提供/PIXTA

モニターNo.3 結婚して腸活に目覚めた Cさん

Cさんは、結婚して1年あまり、パート勤務の30歳。夫の食生活を変えたいと腸活を始めたそう。排便で困ったことがないという「快便」派でした。

イラスト提供/PIXTA

納豆とキムチ、1日2回は当たり前⁉

昼はしっかり食べるのがCさん流。「夜ごはんかな?」と思うほど何品も並べて、しっかり食べています。
とくに納豆は大好きで、1日2回は当たり前。3回食べてしまう日もあるそうです。みそやキムチといった発酵食品も、毎食のように食べています。

Cさんの腸内環境は……?

腸内代謝物スコアは82。モニター10人のうち、真ん中くらいの結果でした。

特徴的だったのは、発酵食品をいろいろな形でとっていること。その一方で、1日2回キムチ豆腐と納豆が登場したり、毎日のように「ぬか漬けきゅうりとプチトマトとゆで卵」が出てきたりしています。登場する食材の幅は、あまり広くありません。

Cさんは、よいと思ったものをとことん追求する「ばっかり食べ腸活」タイプと言えるでしょう。

イラスト提供/PIXTA

モニターNo.4 発酵食使いの達人! Dさん

中高生のお子さんがいるDさん。発酵食品をとることを心掛けている、自営業の40代女性です。

イラスト提供/PIXTA

つねに10品以上の発酵食品を常備!

つねに冷蔵庫には、手作り発酵食品が入っているというDさん。
調査時にも、塩こうじ、醤油こうじ、塩レモン、発酵トマト玉ねぎから、奄美大島の発酵飲料「ミキ」などを作っていました。

もっと作りたいけれど、冷蔵庫に保存しきれないからセーブしているそう。

発酵調味料・発酵だれを毎日活用

赤丸のついたものは、発酵調味料を使った料理です塩こうじや甘酒を炒めものに使ったり、発酵トマト玉ねぎを納豆のトッピングとしたり。おやつにも甘酒を使ったスムージーを楽しむなど、発酵食品を使いこなしていました。

Dさんの腸内環境は……?

Dさんの腸内代謝物スコアはとても高く、92をたたき出しました。

10品以上発酵食品を作るなど、もはや「発酵食マニア」といえそうですが、特徴的だったのは、「発酵食品を楽しみながら利用している」こと。
「おいしいから続けているし、楽しい」のだそう。飽くなき食への探求心が、Dさんの腸活を支えているのかもしれません。

Dさんは、おいしいが続ける原動力、食いしん坊腸活さんといえるでしょう。

イラスト提供/PIXTA

モニターNo.5 新しい情報に目がない Dさん

腸活歴が10年以上になるというEさん。フルタイム勤務の50代女性です。腸活を気にして、ありとあらゆる情報を試してきたそうです。

イラスト提供/PIXTA

朝は「冷たいアイスオレ」がMY ルール

あらゆる腸活を試した結果、朝食時に特濃牛乳を使ったアイスオーレを飲むと、便通がよいと気づいたそう。アイスオレに、食パン1/2枚にピーナッツバター、あるいはサラダといったものを添える日もありました。

1週間の朝食写真。アイスオレは毎日欠かしません。

夕食はいろいろ並べる「小鉢スタイル」

体重の増加を抑えたいEさんは、夕食ではご飯や麺といった糖質をとらない日も多く、いろいろなものを少しずつ食べる「小鉢スタイル」。このとき、大根おろしもずくと納豆を合わせたものを食べると、調子がよいそう。たびたび登場しています。

Eさんの腸内環境は……?

なんと、腸内代謝物スコアが100点満点! この好スコアの背景には、食事日記からは「いろんな食品を食べている」ことが見てとれます。

腸活のために、あらゆることを試してきたそうです。乳酸発酵の「阿波番茶」を試していたり、かなり情報感度が高いかたでした。そうして試したもののなかから、自分に効くと感じたものだけを実践しています。

Eさんは、自分によいものを上手にチョイスしている「幕の内弁当」腸活タイプだと言えるでしょう。

イラスト提供/PIXTA

【まとめ】腸活の「リアル」から見えてきたこと

今回の腸活モニターは、同じような条件でスクリーニングしたにもかかわらず、データでは捉えきれない多様な食スタイルが浮き彫りになりました。

また、腸活に対しては、便秘、ダイエット、免疫力アップ、アレルギー解消など、他方面にわたる効果を期待している人が多いものの、効いているかは実感できていない人も少なくありません

「肌であれば、目に見えるから効いているか実感できるが、腸内は見えないから、実感が持てない」と回答されたかたもいました。

そのため、いろいろなものを買っては試し、また新たなものを探す…といった「腸活迷子」になっている人も少なくないようです。


これから求められるのは「パーソナル腸活」?

イラスト提供/PIXTA

便秘がちな人、おなかが張ってしまう人、おなかを下しやすい人。おなかの調子は人によってまったく異なります。それぞれ、食べるべき食材や、食べるタイミングなどは変わってくるはずです。

これから求められるのは、私にぴったりな、私のためのパーソナル腸活ではないでしょうか。

「バランスよく食べましょう」というだけではなく、その人にとって「バランスがよい」のは、どんな食材で、どんなメニューなのか。
より具体的に提示できれば、実践する人も増え、効果を実感する人も増えていくのではないでしょうか。


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最後までご覧いただき、ありがとうございました。

文)オレンジページくらしデザイン部