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時代と地域とコミュニティー

ある人のライフイベント(人生上の出来事)を時間軸に沿って聞いていると、高校や大学進学、就職や転職などのタイミングで居住場所が変わることがある。

居住場所だけでなく、時間の進捗とともに「時代」も変わる。

居住場所や時代が変われば、その先々で、新たな人間関係が生まれ、
コミュニティーが形成される。

このように、私たちの「生活」は、時間・地域・コミュニティーの
変化の中で営まれている、と考えることができる。

事例は、どんな時代に、どんな地域で、どんな人達にかこまれて
生活してきたのか...。
それを要領よくまとめたものが、「生活歴」と呼ばれるもの。

事例の生活歴を聞く場合、こんな質問をしてみると良い。

⇒あなたの「華の時代」は、いつ頃でした?
⇒それは何歳の時、どの地域の出来事ですか?
⇒その時、あなたの周りにはどんな人がいましたか?

ライフイベントは楽しいことばかりではない。
当然ながら、苦しいこともある。
私たちは、そんな出来事に折り合いをつけながら、
「生活」を続けているのである。

前述したように、事例が生活歴を語る場合、
時間軸にそって話すことは難しい。

時代が飛んだり、地域が飛んだりする。
Aという時代の出来事を話していると思いきや、
いつの間にかBという時代に話になっていることも稀ではない。

支援者の頭の中に「時間軸」を作り、
その中に事例が語るエピソードを、1つ1つを落とし込みながら
「事例の人生」を再構成していく。

福祉関係者は往々にして、「困ったこと」ばかりを聞きたがる。
けれど、楽しいかったこと、嬉しかったこと、自慢したいこと等々、
事例の「華の時代」の話しも聴いてみてほしい。

事例と共有する映像が、モノクロからカラーに変わる瞬間がある。
正に、ナラティブアプローチ的な面接になる。


冒頭の画像は、kaniemon_photoさんのものをお借りしています。
ありがとうございます。