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サービス継続に必要な3つの領域

株式会社オープンストリームホールディングス テックブログ「OpeN.lab」運営チームのhonda.ちゃんです。今回は、以前に株式会社オープンストリームより発信させていただいた記事を再掲載いたします。


サービスを継続するために重要なのは、そのサービス品質のマネジメント
です。今回は、前回前々回で触れた「サービスマネジメント」について
説明します。


新規事業・新サービス立上げに必要な要素

新規事業・新サービスが出来上がった!
おめでとうございます。
でも、ちょっと待ってください。
その新規事業・新サービスは誰がどうやって運営しますか?
お客さまからのお問い合わせやクレームにスピーディに対応できますか?
解約や再利用はわかりやすくご案内されていますか?

そういった、サービスを取り巻く各種ルール、運営ガイドラインを準備し、
運営機能(組織体制)の組成、リスクアセスメント、リソースのコーディ
ネイトを行いながら、サービスの提供・運用・持続的改善を図るのが、
サービスマネジメント」です。

サービスマネジメントによって、以下を実現します。(これを怠ると、
あっという間にお客様は離れていきます。)

  • プロダクトやサービスを利用することで、お客様に何か困ったことが
    起きた場合、その原因特定プロセスと対策が、組織として準備されている

  • お客様が、プロダクトやサービスを利用することで、最大のベネフィットを得るために、提供品質を一定以上に安定させる

具体的には「利用者保護」「利用状況把握」「サービス維持」の3つの領域で、ルールや体制を定めます。(以降の記載は、何らかのITシステムを利用したサービスを想定しています。)

  1. 利用者保護:主に、利用規約、プライバシーポリシー、ID管理方針など。ビジネス部門が中心になって、以下を整備する

    • サービス利用規約(ステークホルダーを類型化し、それ毎に整理)

    • プライバシーポリシー

    • エスカレーションルール ...など

  2. 利用状況把握:主に、ガイドライン、ルールブックなど。ビジネス部門、システム部門、カスタマーサービス部門が協力して、以下を整備する

    • サービスデスク / ヘルプデスク

    • サービス運用ルール ...など

  3. サービス維持:主に、システムマニュアル、報告フォーマットなど。
    システム部門が中心になって、以下を整備する

    • ヒト系のサービスフロー

    • システム機能に関する運用設計

    • システム非機能に関する運用設計 ...など

新規事業・新サービスには、多くの人が関わります。場合によっては
自社組織外とのアライアンスもありますので、認識の齟齬を避ける
ためにも、新規事業・新サービスに関わるすべてのステークホルダーが、
いつでも参照できるようにドキュメントにまとめておく必要があります。
次項では、私たちの支援事例から、実際に作成したドキュメントを
ご紹介します。

サービスマネジメントに関わるドキュメント例

以下は、私たちが支援した「スマホアプリを利用した BtoBtoC のサービス」で、立上げに向けて整備したドキュメントです。

  1. 利用者保護

    • 利用規約(toC 用)

    • 利用規約(toB 用)

    • 個人情報保護方針

    • 広報・ブランディング方針

    • ビジネスルール(契約/解約)

    • アライアンス規約

    • 販促・営業展開方針

    • 違反対応方針

    • エスカレーションルール、報告フォーマット

  2. 利用状況把握

    • サービス仕様書、サービス機能のインターフェース

    • アクター別プロファイル

    • IDライフサイクル管理方針

    • サービス運営方針(体制、役割)

    • リスクアセスメント、チェックシート

    • ヘルプデスク対応マニュアル(定常/トラブル)、報告フォーマット

  3. サービス維持

    • システム構成

    • システム運用設計書

    • システム監視設定書

    • システム運用マニュアル(定常/障害)、報告フォーマット

また、この事例では、上記3領域に加え、すべての土台となる大方針
として、「サービス宣言」を作成しています。

サービス宣言(憲章)で定義すること

サービス宣言(憲章)を定める目的は、以下の3つです。

  • サービスに関わるステークホルダー間での意識共有

  • あとから参画するメンバーやアライアンスの早期の仲間化

  • 利用者に対しての安心感の醸成


今回は「新規事業・新サービスの立上げに向けては、プロダクトやサービスの内容と同じくらい、市場に出した後の運営を見据えた準備も重要」だと
いうことを再認識する目的で、記事を作成しました。
結構なドキュメント数だなという印象を持った方もいるかもしれません。
ただ、同じようなドキュメントが、すでに社内に存在することも多いと
思います。
それぞれの新規事業・新サービス固有の要件はあるものの、そういった
既存のドキュメントは十分参考になりますので、ぜひ探してみてください。
(今回紹介したドキュメントの作成過程についても、いずれご紹介する予定です。)

今回のまとめ

  • サービスの提供・運用・持続的改善を図るのが「サービスマネジメント」

  • サービスマネジメントを怠ると、あっという間にお客様は離れる

  • 「利用者保護」「利用状況把握」「サービス維持」の3つの領域で、
    ルールや体制を整備しよう


私たちは、プロジェクト上、企業の新規事業・新サービスの企画~事業化~サービスの定着・継続・拡大をお手伝いすることもございます。
ここでは、「新規事業担当に任命されたけど、どこから手をつければ
よいかわからない」といった方を念頭に、これまでの私たちの支援実績を
ベースに、新規事業・新サービスのヒントを語っていきます。
多くの人が組織に属している日本のビジネス環境において、社内でも起業家精神をもって突き進むイントラプレナーが増えれば、それだけ日本が元気になると信じて。


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