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市民オペラに参加するということ 38

6月最終土曜日。先週の第3土曜日はもともと練習が休みだったので、本番が近いわりに、6月はのんびりした日程だと思っていたら、そう甘くはなかった。2日前の木曜日の練習が加わった上に、この土曜日の午前も、練習になったのだ(もともと午後2時から練習が組まれていた)。でも私は追加の練習は、どちらもお休みした。木曜日は仕事で練習に間に合わないし(もちろん遅れて行くことなら可能だが)、土曜日はもともと午後からの予定になっていたので、それに合わせて予定を組んでいたのだ。当初の予定通り、土曜の午後から参加した。

木曜日は初めて演出するシーンをやったようだが、まあ今ならまだキャッチアップすることが可能だろう。土曜の午前中は、主に今までやったところの復習だったようなので、これもサボった分はなんとかなるだろう。午後の始めは、午前中にやったらしい2幕のフィナーレを繰り返したので、これもすぐに追いつくことができた。

先週末の練習が休みだったにも関わらず、私は休み中、一度も楽譜を開かなかった。しかも木曜日と午前の練習を休んだのに、だ。さすがにまずいと思ったので、練習会場に向かう移動中、必死に楽譜を追った。すると意外なことに、だいたいの箇所は歌詞を覚えていることがわかった。もちろん完璧には歌えないし、演技が付くと、ただでさえ完璧じゃないところは歌詞が抜けるだろう。
でもこれまで演技が付けられた箇所は、逆に歌詞を覚えているし、動きとともに覚えた箇所のほうが、体で覚えているので、かえって歌詞が入るようだ。

そんなふうに安心できたのも束の間、到着して最初にやった2幕フィナーレの場面は、歌詞に魂が入ってないと、いきなりマエストロ(指揮者)に叱られる。初めてやる箇所じゃないだろう、と。
「すごい奇跡」という歌詞があったのだが、それをどんな気持ちで歌っているのか、と問われる。「すごい奇跡」と歌っていても、「なんだか普通」にしか聞こえない、と言うのだ。そういう、ただ歌うような歌はいらない、今の時期、もうそういう通り一遍の練習はしないでほしい、演技になっていない、と言われる。指摘はごもっともだ。でも実際やるのはなかなか難しい。
しかしマエストロが立ち稽古に同席し、指導してくださるなんて、幸せなことだ、と思い直す。この日はいつものようにソリストと、合唱指導をしてくださった会の代表者と奥様に加えて、合唱指導の時にいらしてくださったテノール歌手も見学に来ていた。代表者と奥様は、練習に毎回立ち会ってくださる。
加えてこの日は、会場を借りている中学校の中学生および小学生も練習に加わる。彼らも本番に出演するのだ。オペラは本当に多くの人が関わって初めて成り立つのだなあと改めて思う。しかも昨年は、コロナの影響で、子供たちは参加できなかったのだ。
ここから本番に向けてより一層練習に熱がこもることになるはずだ。来週は土日両方練習があるし、忙しくなるが、これからは練習も極力休まず、頑張りたいものだ。

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