友をたずねて三千里・西へ(3) アルハンブラ宮殿とフラメンコの街・グラナダ (Granada, 2017.9 )
□Day1(Fri.) HND→Beijing Airport→
□Day2(Sat.) Madrid着→Cordoba→Granada
■Day3(Sun.) Granada→Madrid(本記事)
□Day4(Mon) Madrid
□Day5(Tue.) Madrid→Porto Airport→Agueda→Aveiro→Porto
□Day6(Wed.) Port→Madrid
□Day7(Thu) Madrid→Toledo→Madrid
□Day8(Fri.) Madrid
□Day9(Sat) Madrid→Beijing
□Day9(Sun.) HND着
この旅の動画はこちらからご覧ください。
アルハンブラ宮殿へ
朝。早起きしてアルハンブラ宮殿に向かう。このアラビックな宿は、アルハンブラ宮殿の真裏という素晴らしいロケーションだった。
途中、おそらく夜の世界の一人と思われる女性が前を歩いていったのだが、これは明らかに寒すぎだと思う。我々は早朝の冷えに耐えられず、ダウンを着ているくらいなのだ。
真裏と言ってもアルハンブラ宮殿は広い。入り口まで40分ほど歩いてようやく到着。
有名なアルハンブラ宮殿である。ついにその地を踏むことができるのだ。私は高揚する気持ちを抑えられずにいた。いくら前日の夜熱いお湯が出なかったとしても、もはや構わなかった。アルハンブラ宮殿とヘネラリフェにさえいけるのなら。
アルハンブラ宮殿のチケットは一ヶ月前に手配し、とても混雑するというナスレ朝宮殿の予約も希望の時間が取れた。発券場所なども念入りにチェックしておいた(性分だ)。
シエラネバダ山脈の麓の丘の上に建てられたアルハンブラ宮殿は、イスラーム王朝ナスル朝の宮殿だった場所だ。この地には9世紀頃から城塞が築かれ、城壁が赤かったことから「アル・ハムラー」(赤の)という呼び名がつけられ、スペイン語なまりで「アルハンブラ」と呼ばれることになったのだとされている。
スペイン南部のイスラム教による支配は700-800年続いたが、13世紀のナスル朝設立まではコルドバが都であった。ナスル朝がひらかれた際にグラナダに遷都し、スルタン(王)がアルハンブラ宮殿に住んだ。
高度なアラブ建築の技術が集約されたアルハンブラ宮殿は徐々に増築されていき、住宅、官庁、軍隊、モスク、学校、墓地など様々な施設を備えた、数千人が居住する城塞都市となった。
レコンキスタにより15世紀後半にイスラム教徒が撤退した後も、キリスト教徒の王たちによって改増築が続けられ、アラブ様式にルネッサンス様式が加わった、芸術性の高い建築となったそうだ。
宮殿内の見学と散策
宮殿のお庭。ブルーに黄色に紫に、色とりどりの花が目を楽しませてれる。
ナスル朝宮殿に到着。ここは、スルタンの居住空間だった場所だ。アルカサバと呼ばれる軍事要塞の隣に位置している。
タイルが細かくデザインされている。
壁や柱などもディテールの作り込みが本当に凄い。アラベスクと呼ばれる幾何学模様の装飾で埋め尽くされている。「イスラム芸術の結晶」という名前に恥じぬ豪華さだ。
なんて優美な空間なんだ。こんなに細い柱で支えているだなんて。この柱は大理石でできており、124本の柱の梁から天井にかけて細かい彫刻が施されている..。
中庭の目立つ場所に鎮座する、彼らはライオンだとのこと。え…?
アルハンブラ宮殿は広い。休憩する鳥を観察するために足を止めて、しばし和む。
アルカサバの塔に登ると、ここが要塞であったことがよくわかる。
塔からは、アルバイシン地区を一望できる。
白い壁が美しいこのアルバイシン地区は、グラナダ最古の街並みが今も残っているらしい。
友人が友人宅から持ってきたというすももをかじる。なんて美味しいんだ。
カルロス5世の宮殿の中庭。
宮殿内には猫がたくさんいたので動画におさめた。
ヘネラリフェ
アルハンブラ宮殿東にあるイスラム建築、ヘネラリフェ。王が夏の期間に過ごす別邸だったらしい。美しい。天上の楽園とでも表現したくなるような場所だ。
ちなみに、ヘネラリフェはスペイン語で"Generalife"と書く。この言葉が書かれた看板が宮殿の至るところにあったのだが、私はずっと"General Life"と空目していて「普通の生活はこちらって何?」と真剣に悩んでいた。「ジェネラルライフ」ではなかった。
グラナダ街歩き
宮殿とヘネラリフェを後にして、3時ころにアラブ系のお店でランチ。
アルカイシアなどを散策して、夕日の見える展望台をめざす。
歩き疲れたのでジェラートを食べる。私はコーン派、友人夫妻はカップ派。
ヨーグルトジェラートも、この硬いコーンも美味しかった。
友人夫妻は、明日用にということでチーズケーキを買っていた。
見ての通り、道が狭い。
アルハンブラ宮殿を臨むサンニコラス・広場へ
展望台その1。治安が悪そうなのですぐ退散。
一番有名な展望台、サン・ニコラス広場。観光客の数がすごい。
西日が照らすアルハンブラ宮殿は、昼の姿とはまた違った美しさと物悲しさがあった。
Wikipediaに興味深い記述があった。
スペインを訪れるイスラム教徒たちは、このアルハンブラを他の誰にも増して特別な気持ちで見るという。彼等にとってアルハンブラはイスラム=スペイン(アル=アンダルス)の象徴であり、イスラムの支配と信仰が砕かれてもなおスペインに残った輝かしい遺産なのである。 - wikipedia
列車が来るまでの1時間程度、オレンジジュースを飲みながらゆっくりと過ごす。
20時を過ぎてもこの明るさである。
20:30にグラナダ発の列車に乗り、深夜にマドリッド着。お疲れ様でした。
この日のBGMは、もちろんこちら。